2026年2月に半導体業界で生じたニュースを9本厳選してご紹介します。
動画で説明:半導体業界ニュース2026年2月号
2026年2月末時点の半導体関連株式市場推移

各ニュース記事:半導体業界ニュース2026年2月号
産総研ら、ダイヤモンド半導体用の大面積ウエハ実現手法を開発

産業技術総合研究所とイーディーピーは2/2、共同で、シリコンウエハ上への貼り付け構造を持ち、汎用的な半導体製造装置で加工が可能なダイヤモンドデバイス用ウエハを作製したと発表しました。
ダイヤモンドは半導体材料として、既存のSiやSiC、GaNなどの材料と比べて高温動作や放熱性、高電圧耐性などの優れた特性を持っています。そのため、究極の半導体とも呼ばれており、パワー半導体などの大電力処理や耐熱、耐放射線、高速スイッチングが必要な分野などさまざまな応用が期待されています。
しかし現状は大面積のウエハを作ることが困難であり、今回多数の小さなダイヤモンドウエハを大面積のシリコンウエハに貼り付けることでダイヤモンド半導体用の大面積ウエハを実現する手法を開発したということです。
今回開発された手法は、ダイヤモンドとシリコンの熱膨張量差によって生じる熱歪みが接合温度の上昇により抑制できることを見出し、しっかりと接合され、さらには反りの少ないダイヤモンドとシリコンとの複合ウエハを開発したというものです。この複合ウエハを使って汎用的な露光装置を用いてダイヤモンド上に微細加工が実施可能なことも確認したということです。
ダイヤモンドウエハをシリコンウエハ上に貼り合わせることで、通常の製造装置で加工可能な複合ウエハを作製したということです。高品質なダイヤモンドウエハを安定的に作るなど、そもそも課題はまだまだあると思いますが、今後のダイヤモンド半導体の量産、社会実装への展開が期待されます。
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産業技術総合研究所:プレスリリース(2/2)
イーディーピー:プレスリリース(2/2)
イビデン、AIサーバー向けパッケージ基板生産能力増強に5000億円投資

イビデンは2/3、同社の2030年目標達成に向けて2026年度から2028年度の3年間で高機能ICパッケージ基板向け設備投資計画に総額約5,000億円を投じると発表しました。
この投資計画の目的は近年需要が増加しています、AIサーバーと高性能サーバー向けの高機能ICパッケージ基板生産能力増強です。対象としては河間事業所、大野事業所、及びその他海外を含む既存工場となっており、3年間で総額約5,000億円を投資するというものです。
そのための第1段として、河間事業所及びその他海外を含む既存工場に約2,200億円を投じて生産能力を増強し、2027年度から順次量産を開始するというものです。河間事業場工場棟は2023年度に竣工しており、量産稼働は大野事業場を先行して進めていたようですが、今回顧客と方向性を合意し、改めて量産稼働に向けた設備投資を進めていくということです。
イビデンが高性能ICパッケージ基板の生産能力増強のために大規模な投資を進めるようです。同社の顧客はCPU大手、GPU大手ですので特にGPU関連では需要がすごいと想像しています。今後もその勢いが続くようですね。
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イビデン:プレスリリース(2/3)
SAIMEMORY、インテルと次世代メモリ技術実用化に向けて協業

ソフトバンクの子会社であるSAIMEMORYは2/3、インテルと高容量で広帯域、低消費電力を特長とする次世代メモリー技術ZAM(Z-Angle Memory)の実用化に向けて協業契約を締結したと発表しました。
SAIMEMORYは、2024年12月にソフトバンクが次世代メモリ技術の実用化に向けた研究開発を行うことを目的に設立されました。
次世代メモリー技術とされるZAMにより、大規模なAIモデルの学習や推論処理を必要とするデータセンターなどで、大容量かつ広帯域なデータ処理や処理性能の向上、消費電力の削減の実現に向けて取り組むとしています。
今後、2027年度中にはプロトタイプを作製、2029年度中の実用化を目指すスケジュールを掲げています。
SAIMEMORYがインテルとともに新構造のメモリを開発するようです。ZAMの技術的な詳細はわかりませんが、現状の課題は明確ですので、期待したいですね。ただコンセプトはよくても実用化はまた別の話だと思いますので、実用化までもっていけるようにしてほしいです。
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SAIMEMORY:プレスリリース(2/3)
TSMC、熊本第2工場に3nm世代プロセスを導入へ

TSMCは2/5、熊本第2工場において3nm世代プロセスを導入することを表明しました。これは同社のC.C.Wei会長兼CEOが総理大臣官邸を表敬した際に高市首相に伝えたものです。
熊本工場はTSMCの子会社で、ソニーセミコンダクタソリューションズとデンソー、トヨタ自動車が出資するJASMが運営しており、2024年末から第1工場で量産を開始しています。
第2工場については2024年2月に建設計画が発表されており、当初は6/7nm世代プロセスまでとされていましたが、今回、最先端の量産プロセスである3nm世代プロセスを導入することが決定されました。
第2工場については建設が止まっているといった報道がありましたが、3nm世代プロセスを導入することが正式に決まったようですので、また建設が急ピッチで進むことでしょう。当初2027年からの稼働という計画でしたが、そこからはさすがに遅れるのではないでしょうか。いずれにしても今後の動向にも注目ですね。
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内閣府:総理の一日(2/5)
ホンダ、産総研とダイヤモンド半導体の連携研究室を設立

ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所は2/6、産業技術総合研究所及びAIST Solutionsと、ダイヤモンド半導体の研究開発の強化に向けて連携研究室を設立したと発表しました。
次世代モビリティの電動化のためには、高電圧、大電流を制御、変換するパワー半導体の省電力化と耐久性が不可欠です。その中でダイヤモンド半導体は材料特性に優れており、究極のパワー半導体材料の候補として注目されています。
産総研では、30年にわたるダイヤモンド半導体の研究実績を持ち、高品質単結晶合成技術やデバイス技術で研究開発をリードし続けてきました。
ホンダとは2023年から自動車の駆動に向けた高電圧・大電流対応ダイヤモンドパワーデバイスに関する共同研究を進めています。
今回、産総研の「つくばセンター」内に「Honda R&D-産総研ダイヤモンド×エレクトロニクス連携研究室」を設立して、ダイヤモンド半導体の基板からデバイス技術までの研究、実用化に向けた共同研究を進めていくということです。
ホンダが産総研と共同でダイヤモンド半導体の実用化に向けた研究開発を進めるようです。さまざまな研究成果もあって注目度が上がっているダイヤモンド半導体ですが、ホンダが車載向けのパワー半導体という実用化を目指して進める点には期待したいですね。
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本田技研工業:プレスリリース(2/6)
産業技術総合研究所:プレスリリース(2/6)
サムスン電子、世界初となるHBM4の量産を開始し出荷

サムスン電子は2/12、HBM4の量産を開始し、顧客に向けて出荷をしたと発表しました。
同社は、最先端の第6世代10nmクラスのDRAMプロセスを活用することで、量産開始当初から安定した歩留りとパフォーマンスを実現したということです。
HBMの肝となるデータ転送速度は11.7Gbpsで最大13Gbpsまで可能としています。この速度は業界標準の8Gbpsを約46%上回り、HBM4の性能における新たなベンチマークを確立したとしています。
DRAMを12層積層して24GBから36GBまでの容量を持ち、16層積層することで最大48GBまでの容量を提供できるということです。
サムスン電子がHBM4の量産を開始したようです。HBMに関してはSKハイニックスの後塵を拝していましたが、シェア拡大を図れるのか今後の動向に注目していきたいです。
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サムスン電子:プレスリリース(2/12)
ルネサス、GlobalFoundriesと半導体製造における戦略的協業を拡大

ルネサスエレクトロニクスは2/17、GlobalFoundries(以下GF)と数十億ドル規模の製造パートナーシップにより、戦略的協業を拡大すると発表しました。
今回のパートナーシップによって同社は、GFが持つFDX™(FD-SOI)技術、BCD技術、不揮発性メモリを持った高機能CMOS技術などを活用できるようになります。これらの製品のテープアウトは2026年半ばからの予定となっています。
実際の製造は米国拠点から開始し、その後にGFが持つドイツやシンガポールといったグローバルな製造拠点に展開するということです。さらにはGFのプロセスの一部をルネサスの国内工場へ移植することも検討されているようです。
GFは直近の市場シェアで世界5位のファウンドリ企業です。グローバルに製造拠点を持っているため、ルネサスとしてはサプライチェーンの安定化を確保するために協業するようですね。
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ルネサスエレクトロニクス:プレスリリース(2/17)
ローム、TSMCのプロセス技術を融合してGaNデバイスの供給能力強化へ

ロームは2/26、自社のGaNパワーデバイスの開発・製造技術とパートナーシップを結ぶTSMCのプロセス技術を融合し、一貫生産体制を構築することを決定したと発表しました。
GaNパワーデバイスは、高電圧・高周波特性に優れ、民生品の他、AIサーバー向けの電源ユニットやEVのオンボードチャージャーなど高電圧分野での採用が進み、今後需要拡大が見込まれています。
同社では2022年3月にローム浜松で150V GaNの量産体制を構築するなど、早くから開発を進めています。そして2023年から650V GaN プロセスをTSMCへ委託、2024年には車載GaNに関するパートナーシップを締結しています。
しかし、TSMCがGaNファウンドリ事業から撤退することもあり、今回2027年中の生産体制構築を目指して、TSMCのプロセス技術をローム浜松に移管するということです。
ロームがTSMCプロセス工程を自社工場内に移管して、GaNパワーデバイスの生産能力を向上させるようです。TSMCが撤退するといった仕方がない状況が背景にあります。それまでに立ち上げる必要があるため、きっと大変な業務でしょうと想像します。
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ローム:プレスリリース(2/26)
ラピダス、政府と民間32社から総額約2,676億円の資金調達を実施

ラピダスは2/27、政府と民間を中心とした企業から総額約2,676億円の資金調達を実施したと発表しました。
まず政府に関しては、情報処理の促進に関する法律に基づき経済産業省所管の独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)から約1,000億円が出資されます。
これは2025年8月の法改正により、IPAが次世代半導体の量産等に向けた金融支援業務を新たに実施することとなりました。そして2025年11月に経済産業大臣が選定事業者としてラピダスを選定したものです。
また民間企業では、ラピダス設立時に出資をした8社に加えて、新たに24社が出資し、全体として32社になったということです。この32社からの出資は合計で1,676億円です。
今後は更なる出資や融資による資金確保を進め、2027年に予定されている2nm世代のロジック半導体量産へ着実につなげていくとしています。
ラピダスへの追加出資が公表されました。政府からは計画通りIPAを通じての出資です。民間企業からは当初の想定を上回る金額になったようです。出資する企業は関連するメーカーや銀行などです。計画では量産を来年に控えていますので、今後の動向にもさらに注目していきたいです。
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ラピダス:プレスリリース(2/27)
情報処理推進機構:プレスリリース(2/27)
