2026年6月に半導体業界で生じたニュースを8本厳選してご紹介します。
動画で説明:半導体業界ニュース2026年6月号
2026年6月時点の世界の半導体市場推移

2026年6月末時点の半導体関連株式市場推移

各ニュース記事:半導体業界ニュース2026年6月号
TDK、旧JSファンダリ新潟工場跡地を取得し新工場を設立

大手電子部品メーカーであるTDKは6/1、新潟県小千谷市にTDK信濃川テクノ工場を新設すると発表しました。
この新工場は2025年7月に破産した旧JSファンダリの新潟工場跡地を活用して整備されるものです。2029年上期に稼働開始見込みで、同社のセンサ製品生産が行われる予定となっています。
フィジカルAI時代を見据えて、現実世界のデータを高精度かつリアルタイムに取得するセンサの重要性は一層高まっているため、同社はセンサ事業を拡大する方針です。
新工場の具体的な生産能力等については今後検討するとしており、将来的な需要増加に対応できる体制構築を重視した運営をするとしています。
2025年に破産申請をしたJSファンダリの旧新潟工場をTDKが取得してセンサ生産を行う新たな工場とするようです。新潟県知事も「大変喜ばしい」とコメントしていますが、やはり工場閉鎖は地域社会へ与える影響が大きいため、既存工場が活用されることはいいことだと思います。センサ製品を生産するということですので、TDKの競争力ある製品生産に貢献してほしいですね。
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TDK:プレスリリース(6/1)
LSTCら、次世代配線構造ルテニウム/エアギャップの寿命ばらつきを解明

LSTC(技術研究組合最先端半導体技術センター)は6/2、1nm世代以下のロジック半導体で有力視されているルテニウム/エアギャップ配線について、製造ばらつきが絶縁寿命に与える影響を統計的に解明し、高信頼性化に向けた新たな技術指針を開発したと発表しました。
今回の研究は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/Beyond 2nmおよび、短TAT半導体製造に向けた技術開発」の一環として実施され、横浜国立大学と電気通信大学、imecが連携した共同で行われています。
ロジック半導体の配線は主に銅が用いられていますが、線幅が小さくなることによる抵抗増加によって信号遅延や消費電力の増大、発熱が課題となっています。この課題解決として期待されているのが、ルテニウム配線と配線間に空気による絶縁層を設けるエアギャップ構造です。
今回、このルテニウム/エアギャップ構造で寿命ばらつきの原因が配線間隔であることが明確となり、ウエハ面内での形状ばらつきが配線の寿命差になることが示されました。今回の結果をもとにして、今後はルテニウム/エアギャップ配線間の電界分布や局所的な欠陥発生を考慮したより高精度な寿命予測モデルの開発を進めるということです。
LSTCらの研究結果としてルテニウム/エアギャップ配線構造における寿命ばらつき要因が解明されたということです。将来の先端ロジック半導体における配線構造の技術開発に期待をしていきたいです。
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LSTC:プレスリリース(6/2)
ローム、世界初となる前工程に量子アニーリング技術を導入し生産性改善

ロームは6/2、同社の生産拠点であるラピスセミコンダクタ宮崎工場にて、Quanmatic社の量子アニーリングを活用した最適化計算システムを、半導体製造の前工程に本格導入したと発表しました。
同社によると、半導体製造の前工程への量子アニーリングの本格導入は世界初ということです。
これによって生産効率を安定的に3%改善する成果を確認したということです。また、今後は今回の成果を踏まえて量子アニーリングを活用した最適化計算システムを、同社のグループ内の他工場に展開していく予定としています。
ロームが量子アニーリング技術を導入することで前工程の生産効率を改善したようです。具体的には工程間の待ち時間が削減されたようで、設備の稼働効率が高まったということです。先んじて適用したEDS工程ほどではありませんが、数%の改善であっても全体としては大きい効果ではないかと推察されます。前工程を担う工場群が同じグループ会社になっていますので、他工場への展開もやりやすくなったのではないでしょうか。
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ローム:プレスリリース(6/2)
Quanmatic:プレスリリース(6/2)
LSTCら、先端半導体のゲート絶縁膜の新技術を開発

LSTC(技術研究組合最先端半導体技術センター)は6/9、2nm世代以降の先端ロジック半導体の性能向上に関するゲート絶縁膜の新技術を開発したと発表しました。
今回の研究は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」におけるBeyond 2nm世代向け半導体技術開発の一環として実施されたもので、産業技術総合研究所や物質・材料研究機構、東京大学、東京科学大学および東京都市大学が共同で実施しました。
今回の開発における主な成果は以下の2点です。
1つ目は、半導体の性能を左右するシリコン酸化膜界面層について、独自の新たなドライプロセスを適用し、一原子層に匹敵する約0.2nmまで薄層化することに成功しました。これにより、次世代半導体の目標とされていた容量換算膜厚0.9nmを達成し、トランジスタのさらなる高速動作への道を拓きました。
2つ目は、トランジスタの動作基準となるしきい値電圧を精密にコントロールするため、ダイポール層に電気的に中性なチタン酸化物を組み合わせる新材料を導入しました。これにより電圧の設計自由度が大幅に向上し、用途に合わせて処理速度優先か省電力優先かのバランスを細かく調整することが可能になります。
LSTCらの共同研究によって先端半導体のゲート絶縁膜に関する2つの新技術が開発されたようです。半導体の高性能化と消費電力の削減は、AIの進展によってこれまで以上に求められています。今回開発された新技術は、次世代コンピューティング基盤の進化を支える中核技術として、今後の実用化と量産化に向けた展開が注目されます。
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LSTC:プレスリリース(6/9)
ラピダス、英伊の機関と相次ぎ半導体製造のための基本合意を締結

ラピダスは6/15及び6/16、イギリスおよびイタリアの半導体関連機関と将来の半導体製造に向けた基本合意を相次いで締結したと発表しました。
イギリスにおいては、同国の半導体エコシステムを牽引する国家機関であるUK Semiconductor Centre(UKSC)と締結しました。またイタリアでは、半導体回路設計の中核的役割を担うChips-IT財団と合意に至りました。
これらの一連の提携は、高市首相の訪英および訪伊に伴う各首脳会談において確認された、先端技術分野における二国間協力の枠組みの一環として推進されるものです。
ラピダスが英伊の半導体機関との将来の半導体製造のための基本合意をしたようです。国際的なサプライチェーンの強靭化に向けた一歩となることを期待したいです。また、今後の量産化に向けたこれからの動きがますます楽しみですね。
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ラピダス:プレスリリース(6/15)
ラピダス:プレスリリース(6/16)
JX金属、光通信向けインジウムリン基板増産に1,200億円投資

JX金属は6/16、光通信インフラの中核材料であるインジウムリン(InP)基板の生産能力を増強するため、今後4年間で最大1,200億円の設備投資を行う方針を決定と発表しました。
今回の投資計画の背景は、AIの急速な進化により、データセンターにおける通信量が飛躍的に増大し、光通信機器の需要が急増しているためです。そして顧客からの強い増産要請を受け、既存の磯原工場に加えて新たにひたちなか地区でも生産体制を強化する方針です。
これにより、生産能力を2025年度比で7〜10倍へと大幅に引き上げる計画です。同社は本製品を半導体用ターゲット材に並ぶ主力へと成長させ、事業の拡大を目指すとしています。
JX金属がInP基板増産に大きく投資を進めるようです。最大1,200億円という規模感や、生産能力を最大10倍に引き上げる計画からは、同社の強い決意と今後の事業成長への自信が伺えますね。
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JX金属:プレスリリース(6/16)
Orbrayら、3インチダイヤモンドウエハの生産技術を確立

Orbrayは6/16、エレメントシックスと直径3インチの単結晶ダイヤモンドの生産技術を確立したと発表しました。
これは独自のステップフロー成長技術をさらに発展させることで、世界最大級となる直径3インチの単結晶ダイヤモンドを生産できる目途が付いたということです。
今後は製品化に向けて、現在研磨技術の開発を進めているということです。また、4インチ結晶の開発にも着手しており、2インチの単結晶ダイヤモンドウエハについては、エレメントシックスの米国オレゴン州グレシャムの工場において量産準備の最終段階に入ったとしています。
ダイヤモンドウエハの口径拡大が進められているようです。2インチ、3インチ、4インチとシリコンでは見ることがなくなったサイズですが、口径拡大と安定した量産ができれば実用化と普及に弾みが付きますので期待をしたいです。
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Orbray:プレスリリース(6/16)
IBM、世界初となる0.7nm世代のプロセス技術を発表

IBMは6/25、0.7nm(7Å)世代のプロセス技術によるチップを発表しました。
これは2021年に発表された同社の2nm世代プロセスと比較して、最大50%の性能向上、または最大70%のエネルギー効率向上が期待されるものとしています。
今回の開発にあたっては、ナノスタックと呼ばれる三次元ナノシートベースの設計による新しいトランジスタ・アーキテクチャーを開発したということです。これによって同社のロードマップでは、今後少なくとも10年間のスケーリングの継続が見込まれているとしています。
そして、早ければ今後5年以内に実用化が可能になるということです。
IBMがサブナノメートル世代のプロセス技術を発表したということです。現代のプロセスノードの数値は実際の構造と異なり、断面図を見ますとナノシートの厚みがおよそ5nmとなっています。とは言え、こうした開発が進められて進歩していく様には驚きます。今後は、どこがこれを量産化に適用するかが注目ですね。
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IBM:プレスリリース(6/25)
