【半導体業界ニュース】2026年9月のニュースを9本厳選してご紹介!

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2026年9月に半導体業界で生じたニュースを9本厳選してご紹介します。

目次

動画で説明:半導体業界ニュース2026年9月号

2026年9月時点の世界の半導体市場推移

2026年9月末時点の半導体関連株式市場推移

各ニュース記事:半導体業界ニュース2026年9月号

熊本県立大、半導体学部の設置が文部科学大臣より認可

熊本県立大学は9/1、令和9年4月の半導体学部の設置について、8/28付けで文部科学大臣より認可されたと発表しました。これを受けて9/2には、熊本県と熊本県立大学による共同記者会見が開催されました。

「半導体学部」という名称の学部が設置されるのは全国で初めてのことです。熊本県内ではTSMCの進出をはじめとして半導体関連企業の集積が急速に進んでおり、高度な専門知識を持つ人材の育成・確保が喫緊の課題となっています。同学部はそうした課題解決の中核を担うとされています。

会見において熊本県知事は、同学部が半導体人材の育成にとどまらず、新たなプロジェクトの受け皿となって「くまもとサイエンスパーク」の一翼を担うなど、県の持続的な経済発展やイノベーション創出につながることへの強い期待を示しました。

コメント

全国初となる「半導体学部」がいよいよ正式に認可され、来春からスタートすることになりました。TSMCの工場稼働などで半導体産業が活性化している熊本ですが、人材不足は今後の最大のボトルネックになり得ます。特化した学部が新設されることで、県内外から意欲的な学生が集まり、産学官連携による実践的な教育を通して地域全体の産業競争力が底上げされることに期待したいですね。

基ニュース

熊本県立大学:プレスリリース(9/1)

熊本県・熊本県立大学:共同記者会見(9/2)

ノリタケ、SiC向けダイヤモンド砥粒内包型研磨パッドを開発

ノリタケは9/2、SiCウエハなどの製造における研磨工程で使用する、ダイヤモンド砥粒内包型研磨パッドを開発したと発表しました。

今回開発されたパッドは、有機物と無機物を複合する独自技術により、ダイヤモンド砥粒をパッド内部に内包した構造となっています。これによって少量のダイヤモンド砥粒でも高い研磨性能を発揮し、従来のダイヤモンドスラリーでは困難だったSiCウエハの端面(外周部)研磨を可能にし、端面を精度良く研磨することでウエハの欠けや割れ、異物付着を抑制し、6インチから8インチへと大口径化が進むSiCウエハの歩留り向上に貢献するとしています。

また、従来は研磨時にスラリーを流し続ける必要があり、使用後の産業廃棄物処理が課題となっていましたが、このパッドでは水のみでの研磨が可能なため、産業廃棄物の大幅な低減とダイヤモンド砥粒の使用量削減にもつながるということです。

コメント

ノリタケがSiCウエハ向けに画期的な研磨パッドを開発したということです。EV向けのパワー半導体として需要が増加しているSiCですが、非常に硬くて脆いという特性から加工が難しく、特に8インチへの大口径化にあたっては歩留り改善が大きな課題となっています。水だけで研磨でき、端面加工の精度を上げる本製品は、環境負荷を下げながらSiCパワー半導体の安定供給とコストダウンを後押しする重要な技術になりそうですね。

基ニュース

ノリタケ:プレスリリース(9/2)

京セラと東北大、シリコン光回路上に直接集積可能な光アイソレータを開発

京セラと東北大学は9/10、共同研究によりシリコン光回路上に光アイソレータを直接集積する技術を世界で初めて開発したと発表しました。

今回の成果をまとめた論文は、9/3に米国電気電子学会(IEEE)発行の学術誌「IEEE Access」に掲載されています。

光アイソレータは、光回路内で反射して光源に戻る光を抑制し、通信を安定させるための重要部品です。これまで、光アイソレータに用いられる「磁気光学ガーネット」という材料に機能を持たせるには約600℃以上の熱処理が必要であり、シリコン光回路チップ全体を加熱すると周囲の電極や配線などの他素子に悪影響を及ぼしてしまうことが大きな課題でした。

今回両者は、熱処理が必要な箇所にのみ局所的にレーザー光を当てて加熱する「レーザーアニール」プロセスを採用することで、他の素子に影響を与えずに光アイソレータをシリコン光回路上へ直接作り込むモノリシック集積に成功しました。

実証実験では、通信品質を低下させる戻り光を約20分の1に低減できることを確認しており、今後は実用化に向けてさらなる低損失・高効率化や量産性の向上を目指すとしています。

コメント

生成AIの普及に伴いデータ通信量が激増する中、電気回路と光回路を同一パッケージに統合して高速化と省電力化を図る光電融合技術(CPOなど)の開発が世界中で加速しています。その実現において技術的ハードルだった光アイソレータの直接集積を、局所加熱というアプローチでクリアしたようです。今後の実用化に大きな期待が寄せられますね。

基ニュース

京セラ:プレスリリース(9/10)

東北大学:プレスリリース(9/10)

レゾナック、300mm SiC単結晶基板の開発に成功

レゾナックは9/15、直径300mm(12インチ)のSiC単結晶の成長および基板加工に成功したと発表しました。

300mmというサイズは、現在開発が進められているSiC基板として世界最大級の口径となります。

SiCを用いたパワー半導体は、従来のシリコン製に比べて電力変換時の損失や発熱が少なく、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー、さらにはデータセンター向けの電源など高効率化が求められる分野で急速に需要が拡大しています。

同社は現在、市場の主流である150mm(6インチ)のSiCエピタキシャルウエハーを中心に供給しており、200mm(8インチ)品のサンプル出荷も開始しています。今回開発された300mmのSiC単結晶基板は、SiC基板およびエピタキシャルウエハーのさらなる大口径化と高品質化に向けた重要な技術的マイルストーンになるとしています。

コメント

レゾナックがパワー半導体の材料となるSiCで300mm(12インチ)化に成功したようです。SiCは硬くて加工が難しく、結晶欠陥も発生しやすいことから大口径化が非常に難しい材料です。業界全体が現在200mmへの移行に取り組んでいる中で、さらに先の300mm化への道筋を示してくれました。将来的な量産によるコスト低減に期待をしたいですね。

基ニュース

レゾナック:プレスリリース(9/15)

フルヤ金属、新千歳工場が完成し竣工式を実施

フルヤ金属は9/15、北海道千歳市に建設を進めていた新たな生産拠点である新千歳工場が完成し、9/14に竣工式を実施したと発表しました。

新工場は総投資額45億円を投じて整備され、AIの普及などを背景に急速に拡大する先端半導体の需要に対応するものです。主に半導体製造装置向けに使用される、極めて高純度・高精度な温度センサや石英ガラス製品を生産します。

2026年秋からの稼働を予定しており、2027年春には本格操業へと移行します。この新工場の稼働により、フルヤ金属の半導体製造装置部材の生産能力は従来の約2倍へと増強される見込みです。

コメント

フルヤ金属が北海道の千歳に新たな生産拠点を完成させました。北海道の千歳市といえば次世代半導体の量産を目指すラピダスの工場が建設され、半導体関連サプライチェーンの集積が急速に進んでいます。今回の投資もその一環と言えそうです。

基ニュース

フルヤ金属:プレスリリース(9/15)

住友金属鉱山、世界初となる12インチ貼り合わせSiC基板を開発

住友金属鉱山は9/18、パワー半導体の材料となるSiC基板において、世界初となる直径12インチ(300mm)の貼り合わせSiC基板「SiCkrest(サイクレスト)」の開発に成功し、半導体メーカーへのサンプル出荷を開始したと発表しました。

同社の「SiCkrest」は、多結晶SiC支持基板の上に、高品質な単結晶SiCを独自の技術で直接接合した構造を持っています。この技術により、従来のバルク単結晶基板に比べて材料コストの大幅な削減と生産効率の向上が期待されています。

これまで同社は6インチおよび8インチ品の開発と顧客評価を進めてきましたが、今回さらにそれを上回る12インチ化に成功したということです。

コメント

レゾナックによる300mmのSiC単結晶開発のニュースに続き、住友金属鉱山からは貼り合わせ技術による12インチSiC基板という成果が発表されました。SiCパワー半導体の本格普及には基板コストの低減が最大の課題とされていますので、期待をしたいですね。

基ニュース

住友金属鉱山:プレスリリース(9/18)

金沢大と産総研、トレンチ型ダイヤモンドMOSの動作実証に世界初の成功

金沢大学と産業技術総合研究所の共同研究グループは9/18、次世代の超低損失パワーデバイスとして期待されるトレンチ型反転層チャネルダイヤモンドMOSFETを作製し、その動作実証に世界で初めて成功したと発表しました。

ダイヤモンドは、高い絶縁破壊電界や熱伝導率を有することから、究極の半導体材料として期待を集めています。中でもトレンチ構造は低損失デバイスの究極形の一つとされていますが、これまでの技術ではパワーデバイスの安全性に不可欠なノーマリーオフ(電圧をかけない時に電流が流れない状態)動作を安定して実現することが困難でした。

そこで研究グループは、原理的にノーマリーオフ特性を実現できる横型反転層チャネルの作製技術と、水蒸気雰囲気下でNiへの炭素固溶反応を用いた独自の結晶異方性エッチング技術を組み合わせ、世界初となるトレンチ型反転層チャネルダイヤモンドMOSFETの作製に成功しました。

室温だけでなく300℃の高温環境下でも明瞭なFET特性とノーマリーオフ動作を示すことが確認されているということです。

コメント

ダイヤモンド半導体でトレンチ構造を持ったデバイスの動作実証に成功したようです。加工が困難なダイヤモンドにトレンチ構造を作り込み、安全上必須とされるノーマリーオフ動作を達成したことは、大きな成果と思います。電力変換時のエネルギーロスを極限まで減らせる究極の半導体の実装に向けて、今後のさらなる研究進展に期待をしたいです。

基ニュース

金沢大学:プレスリリース(9/18)

産業技術総合研究所:プレスリリース(9/18)

SAIMEMORYと新光電気、次世代メモリ技術ZAM開発で協業

SAIMEMORYと新光電気工業は9/28、高密度・広帯域・低消費電力を特長とする次世代メモリ技術であるZAM(Z-Angle Memory)の研究開発および商用化に関する基本合意書を締結したと発表しました。

この取り組みは、大規模なAIモデルの学習や推論処理を必要とするデータセンターなどで求められる、大容量・広帯域なデータ処理性能の向上と消費電力の削減を目指すものです。

今回のパートナーシップにより、SAIMEMORYの次世代メモリ技術に、新光電気工業が半導体パッケージの総合メーカーとして長年培ってきた基板設計・製造技術および高密度実装技術を掛け合わせます。両社は研究開発から製造技術の確立、さらには将来の商用化までを見据えた長期的な協力関係を構築し、日本発となる革新的な次世代メモリ技術の社会実装を目指していくとしています。

コメント

AIの爆発的な普及により、データセンターにおけるメモリの高性能化と省電力化は世界的な急務となっています。こうした中、SAIMEMORYが推進する次世代メモリであるZAMの実用化に向け、高度なパッケージング技術を持つ新光電気工業がタッグを組んだことには大きな意味を持ちます。今後に期待をしたいですね。

基ニュース

SAIMEMORY:プレスリリース(9/28)

新光電気工業:プレスリリース(9/28)

TOPPAN、FC-BGA基板の生産工場をシンガポールに開設

TOPPANは9/30、シンガポールに高密度半導体パッケージであるFC-BGA(Flip Chip Ball Grid Array)基板の生産工場を開設したと発表しました。

現地時間9/29に開所式が行われ、2026年12月の稼働開始を予定しています。

この工場は、シンガポール経済開発庁と通信用半導体大手のブロードコムの支援を受けたもので、TOPPANにとって海外初となるFC-BGA基板の生産拠点となります。運営は新会社であるADVANCED SUBSTRATE TECHNOLOGIES(AST)が担います。

生成AIやデータセンターの急速な普及に伴い、AIやネットワーク機器向けに使用される大型・多層のFC-BGA基板は世界的な需要増に直面しています。TOPPANはこれまで新潟工場を中心に増産を進めてきましたが、製造量の増大に対応するとともに、自然災害や地政学的リスクを見据えたリスク分散を図るため、シンガポールへの進出を決定しました。同社は今後、2027年度までにFC-BGA事業全体で2022年度比2.5倍以上の生産能力拡大を目指すとしています。

コメント

TOPPANがAI半導体向けパッケージ基板の海外生産を本格化させます。半導体の性能を最大限に引き出すためには、チップ本体だけでなくそれを実装する「FC-BGA基板」の大型化と高多層化が必要不可欠です。ブロードコムや現地政府のバックアップを受けて大規模拠点を稼働させることは、急増するAIインフラ需要を確実に取り込むことができそうですね。

基ニュース

TOPPAN:プレスリリース(9/30)

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