秋田県に立地している主要な半導体関連工場をまとめました。

【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 著書を出版しました
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動画で説明:半導体関連工場MAP 秋田県版
半導体関連工場MAP 秋田県版まとめ


秋田県に立地している半導体関連工場は全部で7工場取り上げます。
経済構造実態調査による秋田県の位置付けは、下記のようになっています。
- 事業所数:91(全国18位)
- 従業員数:13,325人(全国7位)
- 製造品出荷額:5,130億円(全国9位)
半導体関連工場MAP 秋田県版各工場
エイブリック 秋田事業所

エイブリックの秋田事業所は秋田県大仙市にあります。
エイブリックはミネベアミツミグループでミネベアミツミの100%子会社です。エイブリックはアナログ半導体の専業メーカーで千葉県松戸市にある高塚事業所が前工程を担っており、秋田事業所は後工程工場となっています。
同社は元々、セイコーインスツルという会社で1968年からCMOS ICの研究開発が開始されています。1970年代には前工程工場がいくつか設けられています。そして1996年に後工程を担う秋田事業所が設立されています。
2016年にエスアイアイ・セミコンダクタとして半導体部門が分社化して営業が開始されています。そして2020年にミネベアミツミグループに統合されて現在に至っています。
秋田新電元 大浦工場、飛鳥工場

秋田新電元の本社 大浦工場と飛鳥工場は秋田県由利本荘市に位置しています。
新電元工業の100%子会社で、主にパワー半導体を製造しています。ダイオードウェーハ、チップやサイリスタウェーハ、チップを生産しています。飛鳥工場が前工程を本社 大浦工場が後工程を担っており、同社内でウェーハからパッケージ化まで実施している模様です。
会社の歴史は長く、1970年に設立されており、2020年には創立50周年を向かえています。
インスペック 本社工場

インスペックは秋田県仙北市にあります。
半導体パッケージ用の検査装置を製造しており、東証スタンダード市場に上場もしています。
1984年に太平洋製作所として操業開始しており、1991年に現在の仙北市に本社を移転。2001年に社名をインスペックに変更しています。2006年に当時の東証マザーズ市場に上場を果たしています(2022年に東証の新市場区分によってスタンダード市場へ移行)。
同社が手掛けるのはパッケージ基板やフレキシブル基板、リードフレーム用の検査装置ですので、顧客としてはOSAT各社ということになると考えられます。
キャッツ電子設計 本社工場

キャッツ電子設計は秋田県鹿角市にあります。
半導体デバイス用の試験装置を製造している企業です。主にパワー半導体用のウエハテストシステムなどを手掛けています。その納入実績には大手企業がずらっと並んでいます。一例としてトヨタ自動車やデンソーといった自動車関連企業や、ルネサスエレクトロニクスや富士電機、三菱電機、東芝といった半導体関連企業となっています。
同社は1986年に現在も代表を務める高橋奏氏によって設立され、その後テクニカルセンターや本社工場の技術棟などが設けられています。従業員数は決して多くなく、むしろ少数精鋭で取り組んでいるように思われます。
秋田シリコン 本社工場

秋田シリコンは秋田県雄勝郡羽後町にある工場です。
シリコンウエハ加工を行っており、主要取引先にはグローバルウェーハズ・ジャパンやSUMCOテクノロジーといったシリコンウエハの大手企業が並んでいます。詳細は不明ですが特殊加工などのニッチ加工分野を手掛けているのではないかと想像されます。
同社は設立が2009年ということで比較的新しい会社、工場のようです。
DOWAセミコンダクター秋田 本社工場

DOWAセミコンダクター秋田は秋田県秋田市にあります。
元々は1982年に前身である同和鉱業の半導体材料研究所が設立したことが始まりです。そして1993年に同和半導体として会社創業し、2006年に現在のDOWAセミコンダクター秋田に社名変更して現在に至っています。
生産しているのは高純度金属材料、ガリウムヒ素基板、LED、窒化物系エピ基板などとなっており、いわゆる化合物半導体関連の材料です。これらはレーザーやセンサなどに活用されるようです。
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