兵庫県に立地している主な半導体関連工場についてまとめました。

【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 著書を出版しました
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半導体関連工場MAP 兵庫県版まとめ


兵庫県に立地している半導体関連企業を全部で8つ取り上げます。その一覧と、地図上のおおよその配置は上記の通りです。
そして経済構造実態調査に基づく「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の兵庫県における事業所数、従業員数、製造品出荷額は以下の通りです。
- 事業所数:121(全国11位)
- 従業員数:9,206人(全国19位)
- 製造品出荷額:3,706億円(全国17位)
半導体関連工場MAP 兵庫県版各工場
三菱電機 高周波光デバイス製作所

三菱電機の高周波光デバイス製作所は兵庫県伊丹市にあります。
同社は多岐にわたる事業を展開する総合電機メーカーであり、同製作所では主に高周波デバイスや光デバイスを手掛けています。
1921年に三菱造船の電機製作所を母体として三菱電機が設立されました。半導体分野については1952年より研究を開始しています。
現在の高周波光デバイス製作所は、1959年に半導体量産の専門工場である北伊丹工場として設立されたことに始まります。同社はその後、1976年に超LSI研究開発プロジェクトに参画し、1984年には光通信用高出力半導体レーザーの製品化を実現するなど、着実に技術力を高めてきました。
1991年に64M DRAMの試作に成功し、1998年には松下電器産業と次世代システムLSIの共同開発で合意しています。2003年には日立製作所との半導体合弁会社であるルネサステクノロジ(現在のルネサスエレクトロニクス)が発足するなど大きな事業再編を経る中で、同製作所は現在も独自の強みを持つ高周波デバイスおよび光デバイスの生産・開発を担う重要な拠点として機能しています。
日清紡マイクロデバイス やしろ事業所

日清紡マイクロデバイスのやしろ事業所は兵庫県加東市にあります。
同社は、電源ICやCIS、IGBT、MEMSなどの多様な半導体製品を手掛けるほか、ファウンドリ事業も展開している半導体メーカーです。
やしろ事業所のルーツはリコーの半導体事業に遡ります。1981年にリコー大阪工場内に電子技術開発センターを竣工し、4インチラインで複写機向けICの開発を開始したことに始まります。
1989年に現在のやしろ事業所のベースとなるやしろ工場FAB1(6インチ)が竣工し、本格的な操業を開始しました。1994年にはFAB2(8インチ)も竣工しています。その後、2014年にリコー電子デバイスとして独立し、2018年に日清紡ホールディングスが同社株式の80%を取得しました。2021年に新日本無線との事業統合を経たのち、2022年に現在の日清紡マイクロデバイスとして新たなスタートを切っています。
やしろ事業所は、6インチおよび8インチの前工程ラインとテスト設備を持つ製造拠点です。月産9,000枚の生産能力を持つ6インチライン(加工技術3.0〜0.5μm)や、月産8,000枚の8インチライン(同1.5〜0.18μm)を活用し、主力製品である電源ICなどを製造しています。
東芝 姫路半導体工場

東芝の姫路半導体工場は兵庫県揖保郡太子町にあります。
同社は多岐にわたる事業を展開する総合電機メーカーであり、姫路半導体工場では主にディスクリート半導体を手掛けています。
東芝の歴史は古く、1875年に田中久重が東京・新橋に電信機工場を創設したことに遡ります。その後、1890年に創設されのちに東京電気となる白熱舎や、1904年設立の芝浦製作所などの歴史を経て、1939年に両社が合併して東京芝浦電気が発足しました。
現在の姫路半導体工場は、1959年に前身となる太子工場が設立されたことに始まります。1982年に半導体部門を分離する形で現在の姫路半導体工場が創設されました。1984年には社名を現在の東芝へと変更しています。
同工場では、スマートフォンやPCなどに使用される小信号デバイスをはじめ、xEVや電源向けなどのパワーデバイス、さらには発電所や鉄道などに使用されるハイパワーデバイスに至るまで、多様な用途に向けたディスクリート半導体を製造しています。直近の2025年には、需要が高まる車載向けパワー半導体の後工程を担う新製造棟を竣工させています。
メルコパワーデバイス 氷上工場、豊岡工場

メルコパワーデバイスの氷上工場は兵庫県丹波市に、豊岡工場は兵庫県豊岡市にあります。
同社は三菱電機の100%子会社であり、主にパワーデバイスの後工程を専門に手掛けるメーカーです。
1969年に井上電機として創立されました。その後、1983年にパワーモジュールの生産を開始し、現在の事業基盤を築きました。
2002年に但馬電子工業と合併して社名をITセミコンへ変更しています。2010年に三菱電機の子会社となったのち、2012年にはSiCモジュールの生産も開始しました。翌2013年に、社名を現在のメルコパワーデバイスへと変更しています。
直近の2024年には本社を福岡へ移転するとともに、三菱電機の完全子会社となりました。氷上工場および豊岡工場では、各種パワーデバイスやモジュール製品の製造ラインが稼働しており、三菱電機グループの半導体生産を裏から支えています。
ウシオ電機 播磨事業所

ウシオ電機の播磨事業所は兵庫県姫路市にあります。
同社は、産業用特殊ランプや光応用製品などを手掛けるメーカーです。
1964年にウシオ電機として設立されま、1966年には日本で初めてハロゲンランプを開発し、1968年にプロジェクション方式の露光装置を実用化するなど、創業当初から高度な光技術を培ってきました。
現在の播磨事業所は、1970年に姫路市へ新設されたことで操業を開始しています。
その後は1982年にエピタキシャル結晶膜形成用として半導体用ハロゲンヒータを開発し、1983年には光洗浄装置、1989年にはウエハ周辺露光装置を開発するなど、半導体関連のニーズに応える製品を次々と生み出してきました。
近年では、2019年に量産プロセス向けEUVリソグラフィマスク検査用のEUV光源を開発し、2023年にアプライド マテリアルズと戦略的パートナーシップを締結するなど、さらなる技術の高度化を進めています。
日本電子材料 本社工場、三田工場

日本電子材料の本社工場は兵庫県尼崎市に、三田工場は兵庫県三田市にあります。
同社は、半導体のウエハテスト時に使用される重要な検査用部品であるプローブカードを手掛けるメーカーです。
同社は1960年に日本電子材料として設立されました。1970年に米国のRucker & Kolls社と技術提携を結んだことで、ICやLSIなどの検査向けプローブカードの製造・販売を開始し、現在の基盤となる事業を立ち上げました。
その後、1985年に熊本県へ熊本工場を新設(のちに第4工場まで増設)するなど着実に生産体制を拡大し、1987年には本社を現在の尼崎市へ移転しました。これに伴い、現在の本社工場が設立されています。
さらに近年では、2019年に新たな拠点として兵庫県三田市に三田工場が新設されています。
住友電気工業 伊丹製作所

住友電気工業の伊丹製作所は兵庫県伊丹市にあります。
同社は電線やワイヤハーネスなどを手掛けるメーカーです。伊丹製作所では主にGaAs基板やInP基板といった化合物半導体ウエハを手掛けています。シリコンやゲルマニウムといった単元素の半導体とは異なる、III-V族をはじめとした化合物半導体の製造に注力しているのが特徴です。
同社の歴史は古く、1897年に住友伸銅場を開設したことに遡ります。1911年には同事業から電線製造業を分離する形で住友電線製造所を創立しました。
現在の伊丹製作所は1941年に開設されました。半導体分野については1956年より研究を開始し、1970年に化合物半導体の製造を本格的にスタートさせて現在の事業基盤を構築しています。
その後、1978年に伊丹製作所内に量産工場を竣工し、1984年には第2の量産工場も竣工させるなど着実に生産体制を強化してきました。2010年には世界初となる白色LED用6インチGaN基板を開発するなど高度な技術開発も進めています。
ナガセケムテックス 播磨事業所

ナガセケムテックスの播磨事業所は兵庫県たつの市にあります。
同社は長瀬産業の100%子会社であり、半導体封止材料やパワーモジュール用エポキシ封止材料などを手掛ける化学メーカーです。
そのルーツは、1938年に設立された帝国化学産業などの前身企業に遡ります。現在の播磨事業所は、1970年に長瀬産業が尼崎東工場をたつの市に移転したことで操業を開始しました。また、同年に設立された長瀬チバをはじめ、1977年にナガセ生化学工業、1980年にナガセ化成工業と、関連企業が次々と設立されて事業基盤が形成されていきました。
2000年に長瀬チバが長瀬産業全額出資のナガセケムテックスとなり、翌2001年には同社とナガセ化成工業、ナガセ生化学工業、帝国化学産業の4社が統合して、現在のナガセケムテックスが誕生しました。
2006年には播磨事業所内に半導体液状封止材製造用のクリーンルームを新設するなど、体制を強化し、半導体やパワーモジュールの信頼性を支える多様な封止用材料を製造しています。
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