岡山県に立地している主な半導体関連工場についてまとめました。

【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 著書を出版しました
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半導体関連工場MAP 岡山県版まとめ


岡山県に立地している半導体関連企業を全部で7つ取り上げます。その一覧と、地図上のおおよその配置は上記の通りです。
そして経済構造実態調査に基づく「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の岡山県における事業所数、従業員数、製造品出荷額は以下の通りです。
- 事業所数:49(全国30位)
- 従業員数:6,622人(全国33位)
- 製造品出荷額:2,028億円(全国39位)
半導体関連工場MAP 岡山県版各工場
ローム・デバイス マニュファクチャリング 笠岡工場

ローム・デバイス マニュファクチャリングの笠岡工場は岡山県笠岡市にあります。
同社はロームの100%子会社であり、主にICやダイオードなどの製品を手掛けています。
1966年にワコー電器として設立され、固定抵抗器の生産を開始したことで操業をスタートしました。その後、1980年にダイオード、1981年にLED、1986年には半導体レーザの生産を開始するなど、順次生産品目を拡大して事業基盤を築いてきました。
2000年に社名をローム・ワコーへと変更、直近の2026年には、ロームグループにおける国内製造関連4社の事業再編に伴い、前工程を担う会社として現在のローム・デバイス マニュファクチャリングへと生まれ変わり、新たなスタートを切っています。
フェニテックセミコンダクター 岡山第1工場

フェニテックセミコンダクターの岡山第1工場は岡山県井原市にあります。
同社はトレックス・セミコンダクターの100%子会社であり、パワー半導体の製造やファウンドリ事業を専門に手掛けるメーカーです。
1968年にシンコー電器として設立されました。1976年に小信号スイッチングダイオードなどの半導体製造を開始し、現在の事業の礎を築きました。
現在の岡山第1工場は1990年に完成し、操業を開始しています。その後、1998年に社名を現在のフェニテックセミコンダクターへと変更しました。2015年の鹿児島工場(旧ヤマハ鹿児島セミコンダクタ)の譲受やなどを経て事業体制を強化しています。
2022年には本社機能をこの岡山第1工場へ移転し、翌2023年には岡山の生産拠点を同工場へ集約しました。
この工場では、5インチラインで月産29,000枚(ダイオードやトランジスタなど)、6インチラインで月産27,000枚(MOSFETやトランジスタなど)の生産が可能です。ICやパワーMOSFET、IGBTをはじめ、化合物半導体やMEMSに至るまで幅広い製品の製造に対応しており、同社のファウンドリ事業と生産の中核を担う拠点として機能しています。
三社電機製作所 岡山工場

三社電機製作所の岡山工場は岡山県勝田郡奈義町にあります。
同社は、主にパワー半導体やパワーモジュールなどを手掛けるメーカーです。
その歴史は、1933年に創業し、映写機用電源の前身となるチョーキングコイル・オートトランスを開発したことに始まります。その後、1963年にパワー半導体のサイリスタを開発し、1971年には日本初となる絶縁型トライアック、1980年にはサイリスタモジュールや高速スイッチング用パワートランジスタを次々と開発するなど、着実に独自の技術力を培ってきました。
現在の岡山工場は1985年に竣工し、操業を開始しています。以降も1988年のパワーMOSFETモジュールの開発や、2015年のパナソニックとのSiCパワーモジュール共同開発、さらに2019年の1200V SiCパワーモジュールの販売開始など、技術の高度化を進めています。
同工場内には、ウエハ製造を担うA棟およびB棟、そして組立工程を担うC棟およびD棟が配置されています。これにより、ウエハの製造から後工程の検査・組立までを一貫して行うことができる充実した体制が整えられており、同社のモノづくりを支える極めて重要な生産拠点として機能しています。
エスタカヤ電子工業

エスタカヤ電子工業の工場は岡山県浅口郡里庄町にあります。
同社は、半導体のウエハテストや後工程の受託加工を専門に手掛ける企業です。
1979年にシャープの半導体事業の協力会社として、タカヤとシャープの共同出資によりシャープタカヤ電子工業として設立され、操業を開始しました。翌1980年にはIC・LSIパッケージのアセンブリとテストを開始し、1981年にウエハテストを開始するなど、着実に事業基盤を築いてきました。
その後、1983年の2棟竣工を皮切りに、1989年に3棟、1991年に4棟と工場建屋を次々と増設し生産体制を強化しています。2020年にはシャープが保有する株式をすべて取得し、社名を現在のエスタカヤ電子工業へと変更しました。直近の2024年にはパワー半導体の生産も開始しています。
同社は、ウエハテストから研磨・ダイシング、LSIデバイス後半組立、モジュール実装、ファイナルテストに至るまでをワンストップで対応できる体制を強みとしています。
タツモ 第1,3,5工場

ツモの第1、第3、第5工場は岡山県井原市にあります。
同社は、半導体製造工程で用いられる貼合・剥離装置や塗布・現像装置をはじめ、洗浄装置、CMPスラリー供給システムなどを手掛けるメーカーです。
1972年に、電子機器部品の製造及び設備の修繕を目的として設立されました。1980年には半導体製造用全自動レジスト塗布装置を開発し、現在の事業につながる技術基盤を築きました。その後、1987年にウエハマーキング装置を開発し、1989年には東京応化工業と共同開発契約を締結するなど、着実に技術力を高めてきました。
1990年にクリーンルーム用超小型搬送システムを開発するとともに、同年に現在の第1工場が設立されています。以降、1995年に第3工場、1997年に第5工場と順次生産拠点を増設して体制を強化してきました。なお、2019年には本社を新築して移転を行っています。
これらの工場では、塗布・現像装置や枚葉式洗浄・エッチング装置、スラリー希釈混合供給システムなどを製造しており、同社の多様な半導体製造関連装置群を生み出す生産拠点として機能しています。
ジェイ・イー・ティ 本社工場

ジェイ・イー・ティの本社工場は岡山県浅口郡里庄町にあります。
同社は、半導体製造工程に欠かせないバッチ式洗浄装置や枚葉式洗浄装置などを専門に手掛けるメーカーです。
2009年にジェイ・イー・ティとして設立されました。同年にエス・イー・エスの半導体事業部門であった岡山GT工場を事業譲渡により取得して現在の本社工場とし、操業を開始しています。
2021年に東京証券取引所 TOKYO PRO Marketへ上場し、さらに2023年には同スタンダード市場への上場を果たすなど、着実に事業を拡大し成長を遂げています。
本社工場では、主力製品である各種半導体洗浄装置を製造しています。直近の2026年には需要を見据えて工場内のクリーンルームを増設するなど生産体制の強化を図っており、同社のモノづくりを牽引する中核拠点として機能しています。
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