福岡県に立地している主な半導体関連工場についてまとめました。

【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 半導体に関する商業書籍を複数出版
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動画で説明:半導体関連工場MAP 福岡県版
半導体関連工場MAP 福岡県版まとめ



福岡県に立地している半導体関連企業を9つ取り上げます。その一覧と、地図上のおおよその配置は上記の通りです。
そして経済構造実態調査に基づく「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の福岡県における事業所数、従業員数、製造品出荷額は以下の通りです。
- 事業所数:75(全国23位)
- 従業員数:8,348人(全国23位)
- 製造品出荷額:2,889億円(全国27位)
半導体関連工場MAP 福岡県版各工場
ローム・デバイス マニュファクチャリング 筑後工場

ローム・デバイス マニュファクチャリングの筑後工場は福岡県筑後市にあります。
この工場では、ICやトランジスタ、ダイオードに加え、次世代のパワー半導体であるSiC製品などを手掛けています。
そのルーツは、1969年の「アポロ電子工業」設立に遡ります。1979年にトランジスタの生産を開始して事業基盤を築き、1990年に現在の筑後工場にあたる「ローム・アポロデバイス」が設立されました。その後、2000年にアポロ電子工業が「ローム・アポロ」へと社名を変更し、2011年にはローム福岡を吸収合併するなど、生産体制の統合と強化を進めてきました。
近年は次世代デバイスの生産に大きく注力しており、2019年にSiCパワーデバイスの生産拠点となる新棟の建設に着工し、2021年に竣工式を開催して設備を拡充しました。
さらに直近の2026年には、ロームグループの国内製造子会社再編に伴って現在の「ローム・デバイス マニュファクチャリング」へと体制を刷新し、新たなスタートを切っています。
ローム・アッセンブリ マニュファクチャリング 広川工場、行橋工場

ローム・アッセンブリ マニュファクチャリングの広川工場は福岡県八女郡広川町に、行橋工場は福岡県行橋市にあります。
広川工場ではセンサやトランジスタ、ダイオードなど、行橋工場ではICの後工程を担っています。
これらの工場のルーツも、1969年の「アポロ電子工業」設立に遡ります。続いて1981年に現在の行橋工場の前身となる「ローム福岡」が設立され、両拠点で生産基盤を築いてきました。その後、1990年のローム・アポロデバイス設立や、2000年のアポロ電子工業から「ローム・アポロ」への社名変更などを経て、2011年にこれらを吸収合併し、生産体制の統合を進めてきました。
さらに直近の2026年には、ロームグループの国内製造子会社再編に伴って、これら広川工場および行橋工場は新たに「ローム・アッセンブリ マニュファクチャリング」へと体制を刷新し、新たなスタートを切っています。
三菱電機 パワーデバイス製作所 福岡

三菱電機のパワーデバイス製作所 福岡は福岡県福岡市にあります。
同社は多岐にわたる事業を展開する総合電機メーカーであり、パワーデバイス製作所 福岡では主にパワーデバイスの組立を手掛けています。
三菱電機では、1952年に中央研究所でパワー半導体の開発がスタートし、1959年には半導体量産専門工場として北伊丹工場(現在の高周波光デバイス製作所など)が新設されました。その後、1981年に現在の拠点のルーツとなる「北伊丹製作所 福岡半導体工場」が新設され、福岡における生産基盤を築いてきました。
近年の需要拡大に伴う設備投資も積極的に進められており、2024年にはパワー半導体のモジュール組立・検査工程を担う新工場棟の建設が開始、2026年に新棟が完成し、生産体制を大きく強化しています。
豊前東芝エレクトロニクス 豊前地区、直方地区

豊前東芝エレクトロニクスの豊前地区は福岡県豊前市に、直方地区は福岡県直方市にあります。
同社は東芝デバイス&ストレージの100%子会社であり、主にフォトカプラや小信号トランジスタなどの製品組立・評価を手掛けるメーカーです。
そのルーツは、1970年に直方地区にて「直方東芝エレクトロニクス」が設立されダイオードの生産を開始したこと、および1973年に豊前地区にて「豊前東芝エレクトロニクス」が設立されディスプレイLEDの生産を開始したことに遡ります。1981年には豊前東芝エレクトロニクスにおいてフォトカプラの生産をスタートさせるなど、各拠点で着実に生産基盤を築いてきました。
その後、直方側が1995年に「福岡東芝エレクトロニクス」へと社名変更し、2002年に豊前東芝エレクトロニクスが同社を統合したことで、現在の体制へと移行しています。
同社の拠点ではフォトカプラや、トランジスタといった各種デバイスの組立ておよび評価が行われています。東芝グループのディスクリート半導体事業における後工程を担い、高品質なデバイスの安定供給を支える拠点として機能しています。
日清紡マイクロデバイス福岡

日清紡マイクロデバイス福岡の工場は福岡県福岡市にあります。
同社は日清紡マイクロデバイスの子会社で、アナログ半導体やセンサ、パワー半導体の製造、ならびにファウンドリ事業を手掛けています。
そのルーツは、2003年に新日本無線の全額出資によって「エヌ・ジェイ・アール福岡」として設立されたことに遡ります。同年に三菱電機から製造ラインを取得して操業を開始し、現在の生産基盤を築きました。その後、2013年には6インチ品の量産を開始して生産体制を拡張しています。2022年に現在の「日清紡マイクロデバイス福岡」へと商号を変更し、新たな体制へと移行しました。
同工場では、5インチおよび6インチのシリコンウエハを用いた生産ラインが稼働しています。5.0〜0.5μmの加工技術を駆使し、オペアンプや電源IC、ダイオード、TVSなどの製品を製造しています。さらに、高耐圧ディスクリートやセンサディスクリート、バイポーラIC、MEMSなど幅広い仕様に応じた製品ポートフォリオを展開しています。
Amkor Technology Japan 福岡地区

Amkor Technology Japanの福岡地区は福岡県宮若市にあります。
同社はAmkor Technologyの子会社で、半導体製造における後工程、特にリードフレームパッケージの生産を専門に手掛ける企業です。
福岡地区のルーツは東芝グループの生産拠点にあり、1985年に直方東芝エレクトロニクスの宮田工場としてICの生産を開始したことに遡ります。1995年の福岡東芝エレクトロニクスへの社名変更を経て、2003年には東芝の九州地区における半導体後工程再編に伴い、東芝LSIパッケージソリューションへと統合されました。
事業体制の大きな転機となったのは2009年で、東芝とAmkor Technologyの資本提携により、後工程部門がジェイデバイスへと譲渡されて新たな歩みを始めました。その後、2015年にジェイデバイスがAmkorの完全子会社となったのち、2020年に現在の「Amkor Technology Japan」へと社名を変更し、現在の体制へと移行しています。
同拠点では、多様なリードフレームパッケージ品の製造を行っています。
メルコパワーデバイス 本社・福岡工場、二丈工場

メルコパワーデバイスの本社・福岡工場は福岡県福岡市(三菱電機パワーデバイス製作所内)に、二丈工場は福岡県糸島市にあります。
同社は三菱電機の完全子会社であり、各種パワーデバイスの後工程を専門に手掛けるメーカーです。
そのルーツは、1969年に創立された「井上電機」に遡ります。1983年にパワーモジュールの生産を開始して事業基盤を築き、2002年の但馬電子工業との合併による「ITセミコン」への社名変更を経て、2008年に現在の本社・福岡工場の前身となる福岡事業所を設立しました。
大きな転機となったのは2010年の三菱電機の子会社化です。続く2012年にはSiCモジュールの生産を開始するとともに、サンエーからパワーデバイス生産事業を譲受して現在の二丈工場の基盤を獲得しました。翌2013年に社名を現在の「メルコパワーデバイス」へと変更し、直近の2024年には本社を福岡へ移転して三菱電機の完全子会社となるなど、体制の強化を進めています。
三井ハイテック 直方事業所、黍田事業所

三井ハイテックの直方事業所および黍田事業所は福岡県直方市にあります。
同社は、半導体パッケージの主要な部材であるリードフレームなどを手掛けるメーカーです。
そのルーツは、1949年に創業した「三井工作所」に遡ります。1966年にICリードフレーム打抜き用のタングステンカーバイド試作金型を開発して技術基盤を確立し、1969年にICリードフレームの製造販売開始に合わせて直方事業所を新設しました。続いて1977年には同市内に黍田事業所を新設し、生産拠点を拡張しています。
1979年にICリードフレームのめっき事業を開始したのち、1984年に商号を現在の「三井ハイテック」へと変更しました。翌1985年にはエッチング方式によるICリードフレームの量産をスタートさせるなど、着実に加工技術の幅を広げながら体制を強化してきました。
この両事業所では、微細なリードレスパッケージ(QFN)用リードフレームや、パワーデバイス用リードフレームなどを製造しています。
日本酸素JFP 北九州工場

日本酸素JFPの北九州工場は福岡県北九州市にあります。
同社は日本酸素の100%子会社であり、半導体材料ガスや高純度ガスなどを専門に製造・取り扱うメーカーです。
そのルーツは、2001年に日本酸素と大陽東洋酸素がそれぞれ50%を出資する共同生産会社「JFP」として設立されたことに遡ります。翌2002年にJFPとしての生産を開始し、事業基盤を築きました。2004年には出資元である日本酸素と大陽東洋酸素の合併に伴い、親会社の商号が「大陽日酸」へと変更されています。
その後、2021年に社名を「大陽日酸JFP」へ改称し、さらに直近の2026年には現在の「日本酸素JFP」へと社名変更を行うなど、親会社の体制変化に合わせて組織を刷新しながら歩みを進めてきました。
この工場では、キャリアガスや雰囲気用ガスなどの高純度ガスをはじめ、半導体製造の要となるドーピング、エピタキシャル、クリーニング、エッチング用の各種半導体材料ガスを製造しています。
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