千葉県に立地している主要な半導体関連工場を5つまとめました。

【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 著書を出版しました
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動画で説明:半導体関連工場MAP 千葉県版
半導体関連工場MAP 千葉県版まとめ


千葉県に立地している半導体関連工場を全部で5つ取り上げます。その一覧と、地図上のおおよその位置は上記の通りです。
そして経済構造実態調査に基づく「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の千葉県における事業所数、従業員数、製造品出荷額は以下の通りです。千葉県は事業所数が全国20位ですが、埼玉県や東京都、神奈川県と比較しますと比較的首都圏に位置している割には低い傾向があります。
- 事業所数:87(全国20位)
- 従業員数:6,033人(全国37位)
- 製造品出荷額:1,804億円(全国40位)
半導体関連工場MAP 千葉県版各工場
エイブリック 高塚事業所

エイブリックの高塚事業所は千葉県松戸市にあります。
エイブリックはミネベアミツミグループでミネベアミツミの100%子会社です。エイブリックはアナログ半導体の専業メーカーで高塚事業所が前工程を担っており、秋田県大仙市にある秋田事業所が後工程工場となっています。
同社は元々、セイコーインスツルという会社で1968年からCMOS ICの研究開発が開始されています。1970年代には前工程のラインがいくつか設けられています。2016年にエスアイアイ・セミコンダクタとして半導体部門が分社化して営業が開始されています。そして2020年にミネベアミツミグループに統合されて現在に至っています。
SUMCOテクノロジー

SUMCOテクノロジーは千葉県野田市にある工場です。
同社は社名の通りSUMCOの完全子会社です。ただ沿革は1958年の新日本窒素肥料(現在のチッソ)が半導体用高純度シリコン製造を目的に設立した日窒電子化学設立まで遡ります。1959年に日窒電子化学が野田工場の稼働を開始しています。その後は複数にわたる商号変更や合併などを経て2005年にSUMCOとなっています。
SUMCOテクノロジーではシリコンウエハ加工や再生加工を行っているということですので、SUMCOの他工場で製造したシリコンインゴットからウエハを切断して各種加工を行っていると思われます。
レゾナック 五井事業所

レゾナックの五井事業所は千葉県市原市にある工場です。
ここでは高耐熱コーティング材料やダイシング、ダイボンディング用の一体型フィルムなどの半導体材料が製造されています。
工場の歴史としては、1973年に山崎工場から分離して五井工場として独立したところから始まります。そして1980年代から半導体の関連材料の製造が開始されています。1999年に名称が五井事業所に変更となっています。
レゾナック 千葉事業所

レゾナックの千葉事業所も千葉県市原市にある工場です。
ここではパワー半導体に使用されるSiCエピタキシャルウエハの製造が行われています。埼玉県にある同社の秩父事業所でも製造されているため、製造拠点を複数持っているということになります。
工場の歴史としては1960年代に昭和電工のアルミニウム製錬事業が開始さています。2023年に現在のレゾナック千葉事業所に改称され、2024年からSiCエピタキシャルウエハの安定供給のために工程強化を進め、顧客の認定を受けたということのようです。
梅郷電子 本社工場

梅郷電子は千葉県野田市にある工場です。
同社は1966年に梅郷化学工業として設立されています。既出のSUMCOテクノロジーのシリコンウエハ生産協力会社としてシリコンウエハの研磨業務を開始したということです。この当時のウエハ口径は2インチだったということで時代の流れを感じるサイズ感ですね。1975年に商号を現在の梅郷電子に変更しています。
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