【半導体関連工場MAP】茨城県版

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茨城県に立地している主要な半導体関連工場を8つまとめました。

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動画で説明:半導体関連工場MAP 茨城県版

半導体関連工場MAP 茨城県版まとめ

茨城県に立地している半導体関連工場を全部で8つ取り上げます。その一覧と、地図上のおおよその位置はは上記の通りです。

そして経済構造実態調査に基づく「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の茨城県における事業所数、従業員数、製造品出荷額は以下の通りです。

  • 事業所数:108(全国15位)
  • 従業員数:7,444人(全国26位)
  • 製造品出荷額:2,402億円(全国34位)

半導体関連工場MAP 茨城県版各工場

それではそれぞれの工場についてみていきましょう。

ミネベアパワーデバイス 臨海工場

ミネベアパワーデバイスの臨海工場は茨城県日立市にあります。

ここで製造されているのは、車載や産業機器向けのIGBTやSiCなどのパワー半導体で、臨海工場はその前工程を担っている工場です。

工場の設立は1980年で、当時は日立系の工場でした。2013年に日立製作所のパワー半導体事業を日立原町電子工業に会社分割によって移管され、日立パワーデバイスが設立されています。その後、2024年にミネベアミツミグループによって買収され、現在のミネベアパワーデバイスへと社名が変更されています。

ルネサスセミコンダクタマニュファクチャリング 那珂工場

ルネサスセミコンダクタマニュファクチャリング那珂工場は茨城県ひたちなか市にある工場です。ここはルネサスエレクトロニクスの主力工場の一角を担っています。

この工場も元々は日立製作所那珂工場の一部門としてLSIの製造を1985年に開始したことによって始まっています。その後、2003年に日立製作所と三菱電機のそれぞれの半導体事業の統合によってルネサステクノロジが誕生し同社の那珂事業所となりました。

さらに2005年には同一敷地内にあったトレセンティテクノロジーズを吸収合併しています。この時にトレセンティテクノロジーズのトップだったのが、2025年現在ラピダスの社長を務めている小池淳義さんです。

2010年にはNECエレクトロニクスとルネサステクノロジの事業統合、合併によって社名がルネサスエレクトロニクスとなり、2014年にルネサスエレクトロニクスグループ内の製造会社再編によって、現在のルネサスセミコンダクタマニュファクチャリング那珂工場となっています。

この工場には200mm(8インチ)ウエハを用いるN2ラインと、300mm(12インチ)ウエハを用いるN3ラインがあり、それぞれのウエハのテストを行う棟も別にあります。

日本テキサス・インスツルメンツ 美浦工場

日本テキサス・インスツルメンツ美浦工場は茨城県稲敷郡美浦村にある工場です。

日本テキサス・インスツルメンツは社名の通り、米国のテキサス・インスツルメンツの日本法人で、1968年に設立されています。美浦工場は1980年から操業を開始している工場です。同社の主力製品であるアナログICなどを製造しています。

キヤノンセミコンダクターエクィップメント

キヤノンセミコンダクターエクィップメントは茨城県稲敷郡阿見町にあります。

社名が示す通り、キヤノンの子会社で、露光装置であるステッパーの精密組立やステッパーのユニットの設計や製造などを行っています。

同社は1917年に日本タイプライターとして設立された歴史のある企業で、1985年からキヤノンと提携を開始し、その後キヤノンの完全子会社となり、2004年には社名も現在のキヤノンセミコンダクターエクィップメントに変更されています。

日立ハイテク 那珂地区

日立ハイテクの那珂地区は茨城県ひたちなか市にあります。

同社が得意とする半導体の計測装置や検査装置の製造を行っています。具体的にはパターン寸法を測定する測長SEMや薄膜の膜厚を測定するエリプソメータ、ウエハ上の異物や欠陥を検出するパターン付きウエハ検査装置などです。

日立ハイテクの設立は1947年で、2001年にエレクトロニクス専門商社である日製産業と日立製作所の計測器グループと半導体製造装置グループが統合して日立ハイテクノロジーズとなりました。元々は上場していましたが、2020年には日立製作所の100%子会社となり、現在は非上場企業となっています。

JX金属 磯原工場

JX金属の磯原工場は茨城県北茨城市にある工場です。

ここでは真空中でイオンをターゲットに衝突させ、表面から原子を叩き出して薄膜を形成させるスパッタリングに使用されるCuやTiなどのターゲット材料を製造しています。

JX金属の歴史はなかなかに複雑で、1905年に久原房之助が創業した日立鉱山を源流としています。その後、鉱山事業から非鉄金属事業へと発展し、合併・再編を経て現在の姿になっています。磯原工場の操業が開始されたのは1985年です。

レゾナック 山崎事業所

レゾナックの山崎事業所は茨城県日立市にある工場です。

ここでは、ダイボンディング用ペーストやダイボンディング用フィルム、CMPスラリーなどの半導体材料が製造されています。

工場の歴史は1944年に日立製作所の日立工場塗料課の新ワニス工場として始まっています。その後1963年に日立製作所から分離独立して日立化成工業となり、1980年代以降に半導体関連のさまざまな材料製造が行われています。

そして昭和電工が日立化成を買収、2023年に社名がレゾナックとなり現在に至っています。

ADEKA 鹿島化学品工場

ADEKAの鹿島化学品工場は茨城県神栖市にあります。

この工場では名称の通り、化学品を製造しており光酸発生材やエッチングガス、高誘電材料に過酸化水素などのリソグラフィやエッチング、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)などで使用される材料が作られています。

同社は化学素材メーカーで、1917年に旭電化工業として設立されています。鹿島化学品工場は1970年から操業を開始しています。そして2006年に社名が現在のADEKAに変更され、現在に至っています。

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