神奈川県に立地している主要な半導体関連工場を10まとめました。

【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 著書を出版しました
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動画で説明:半導体関連工場MAP 神奈川県版
半導体関連工場MAP 神奈川県版まとめ


神奈川県に立地している半導体関連企業を全部で10取り上げます。その一覧と、地図上のおおよその配置は上記の通りです。
そして経済構造実態調査に基づく「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の神奈川県における事業所数、従業員数、製造品出荷額は以下の通りです。事業所数は421で全国1位となっています。事業所数は地方よりも都市圏の方が多い傾向がありますので、その表れと言えるでしょう。さらに言えば、横浜周辺には半導体関連企業が割と集積していると個人的に思っています。
- 事業所数:421(全国1位)
- 従業員数:13,064人(全国8位)
- 製造品出荷額:4,005億円(全国13位)
半導体関連工場MAP 神奈川県版各工場
住友電気工業 横浜製作所

住友電気工業の横浜製作所は神奈川県横浜市にある工場です。ここは主に光関連のデバイスを製造している拠点です。
同社の歴史は古く、1897年に開設された住友伸銅場が起源となっています。そして1911年に住友電線製作所が開設されます。
その後、横浜製作所は1961年に開設されています。1970年からは化合物半導体が、1974年からは光ファイバーケーブルの製造が開始されています。2006年には世界初となる高性能窒化ガリウムトランジスタ(GaN HEMT)が量産化されています。
キヤノン 平塚事業所、綾瀬事業所

キヤノンの平塚事業所は神奈川県平塚市に、綾瀬事業所は綾瀬市にある工場です。どちらもCMOSイメージセンサを生産する工場となっています。
キヤノンを聞いたことがない方はみえないと思いますが、同社の歴史も古く1933年に精機光学研究所として開設されたところまで遡ります。その後、1937年に精機光学工業として創業しており、1947年にキヤノンカメラに社名変更し、現在のキヤノンに社名変更されたのは1969年のことです。
CMOSイメージセンサの研究開発が始まったのは1990年代とされており、平塚事業所と綾瀬事業所がいつできたのかは分かりませんでしたが、現在はCMOSイメージセンサ製造工場の一角を担っています。
さらに平塚事業所では、2022年に新工場が竣工しており、生産能力を拡大しています。
京セラ 秦野工場

京セラの秦野工場は神奈川県秦野市に位置しています。ここではシリコンダイオードを中心としたパワー半導体を製造しています。
元々は1957年に設立された日本インターナショナル整流器の工場でした。同社は1988年に日本インターに社名変更し、さらに2016年に京セラが買収したことで、京セラの秦野工場となっていました。
そして2026年には京セラのパワー半導体事業と共に、秦野工場は新電元工業へ譲渡されることが決まっています。工場の外観として京セラとなっているのがみられる期間もあとわずかとなっています。
ニューフレアテクノロジー 本社工場

ニューフレアテクノロジーの本社工場は神奈川県横浜市にあります。ここでは半導体製造装置が作られています。
同社は元々、東芝内における半導体製造装置事業でした。それが1976年に東芝機械へ技術移管が行われました。そして2002年に東芝機械の半導体製造装置事業を包括継承して、ニューフレアテクノロジーが設立されました。一時は株式を上場していた期間もありましたが、2020年に東芝によってTOBが実施され、現在では完全子会社となっています。
ニューフレアテクノロジーが手掛けるのは、ウエハ上に薄膜を形成するエピタキシャル成長装置、フォトリソグラフィ工程で使用されるマスクを作るための電子ビームマスク描画装置、そしてそのマスクを検査するマスク検査装置が主力製品です。
芝浦メカトロニクス 横浜事業所

芝浦メカトロニクスの横浜事業所は、神奈川県横浜市にある工場です。ここでは主に前工程に係る半導体製造装置を作っています。
同社も元をたどれば東芝と関連する企業です。1939年に芝浦京町製作所として、東芝の鶴見工場の建物や設備を借用して操業が始まっています。そして1942年に現在の横浜事業所となる大船工場の操業が開始されています。
その後1986年に液晶パネル洗浄装置を開発し、その洗浄技術を半導体分野へ展開することで半導体製造装置事業へ乗り出しています。さらに1991年には徳田製作所と、1998年には東芝メカトロニクスと合併して事業範囲を拡大しています。東芝メカトロニクスと合併した際には社名を現在の芝浦メカトロニクスに変更しています。
2020年には半導体製造装置事業がFPD分野を上回り、事業の主軸となって現在に至っています。
横浜事業所ではウエハを1枚ずつ処理する枚葉タイプの洗浄装置や、高温リン酸エッチング装置等、前工程に使われる装置を製造しています。
芝浦メカトロニクス さがみ野事業所

芝浦メカトロニクスのさがみ野工場は神奈川県海老名市にあります。ここでは主に後工程で使用される装置を作っています。
芝浦メカトロニクスの沿革はすでにみてきた通りですので、ここでは割愛します。
さがみ野工場は元々東芝メカトロニクスの拠点でした。1998年に芝浦製作所と合併し、芝浦メカトロニクスのさがみ野工場として、マルチプロセスボンダやハイブリッドボンダなどのボンディング装置を中心に後工程関連装置を製造しています。
荏原製作所 藤沢事業所

荏原製作所の藤沢事業所は神奈川県藤沢市に位置しています。ここでは同社が得意とするCMP装置を中心に半導体製造装置を作っています。
同社は1912年にゐのくち式機械事務所として創業しました。1920年にはゐのくち式機械事務所から現在の荏原製作所に社名を変更しています。藤沢事業所は1965年に建設され、1985年に精密・電子事業へ参入しています。
1992年にCMP装置の1号機が納入され、2016年には累計2,000台を2022年には累計3,000台の出荷を達成しています。同社はCMP装置の世界シェアで2位を誇っています。
アルバック 本社工場

アルバックの本社工場は神奈川県茅ケ崎市にあります。ここは半導体製造装置を作っている工場です。
同社は1952年に日本真空技術として創業してます。社名に入っている通り、真空技術を武器とした企業です。その後本社や工場を移転しており、1968年に本社及び工場を現在の茅ケ崎市に移転しています。
さまざまなロジックやメモリ向けにスパッタリング装置やドライエッチング装置、アッシング装置などを手掛けています。
大陽日酸JFP 川崎工場

大陽日酸JFPの川崎工場は神奈川県川崎市にある工場です。ここでは半導体製造に使用される材料ガスを製造しています。
同社は大陽日酸の100%子会社で、大陽日酸は日本酸素と、東洋酸素と太陽酸素が合併してできた太陽東洋酸素が合併して2004年に誕生した企業です。大陽日酸JFPは2001年に当時の日本酸素と太陽東洋酸素の共同生産会社であるジャパンファインプロダクツとして設立されています。2021年に現在の大陽日酸JFPへと社名変更されています。
シリコン系材料の成膜に使用されるジクロロシランやエッチングに使用される硫化カルボニルは大陽日酸グループ内で川崎工場のみが取り扱っている材料となっています。
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