【半導体関連企業研究】半導体材料大手のレゾナックの歴史や事業・年収を徹底解説

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レゾナック昭和電工と旧日立化成が統合してできた企業で、日本を代表する化学メーカーの一社です。

この記事では、そんなレゾナックについて歴史や強み、業績、年収について徹底解説します。是非とも最後までご覧ください。

この記事を書いた人

【プロフィール】

  • 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
    (経験10年以上)
  • 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
  • 著書を出版しました
  • 詳しいプロフィールはこちらからどうぞ
ずーぼ  
こんな方に読んでいただきたい
  • 半導体業界に興味がある
  • 半導体業界に就職、転職したい
  • 特にレゾナックについて調べたい
目次

動画で解説:レゾナックについて

レゾナックは昭和電工と旧日立化成が統合してできた企業

レゾナックの持ち株会社であるレゾナック・ホールディングスは本社が東京都港区芝大門にあります。東京タワーや増上寺の近くであり、最寄り駅はJR浜松町駅や都営地下鉄大門駅です。

設立は旧昭和電工の設立である1939年で、東証プライム市場に上場しています。

2021年12月期の売上高は約1兆4000億円で、従業員数は約26000名を抱える日本代表する化学メーカーの一社です。

事業内容は、エレクトロニクス、デバイスソリューション、モビリティ、セラミック、機能性化学品など多岐にわたって展開しています。

レゾナックの歴史

レゾナックの歴史は、1939年に設立された昭和電工の歴史と、1962年に設立された日立化成の歴史に分かれ、両社が2023年に統合して誕生したという流れです。

ではまず昭和電工の歴史について主に半導体関連事業に絞って見ていきましょう。

昭和電工は1939年に日本電気工業株式会社と昭和肥料株式会社が合併して昭和電工株式会社として設立されました。1988年にハードディスク事業に進出し、2005年には世界初となる垂直磁気記録方式のハードディスクを量産開始しています。

一方で日立化成は1962年に日立化成工業株式会社として設立されています。エポキシ樹脂やCMP用スラリーなどを手掛け、2013年に日立化成へ商号変更しています。

そして昭和電工が2020年に日立化成を買収して完全子会社化し、商号を昭和電工マテリアルズに変更しています。買収当時、日立化成の時価総額は昭和電工の約2倍あり、買収金額は1兆円に迫る金額でした。小が大をのむ形と言われる買収でした。

そして2023年に昭和電工と昭和電工マテリアルズが統合してレゾナックとなりました。

レゾナックの事業

レゾナックの事業分野は主に4つあります。

  1. 半導体・電子材料
    半導体材料(前工程・後工程)、SiC、HD
  2. モビリティ
    自動車部品、リチウム電池材料
  3. イノベーション材料
    セラミックス、機能性化学品、アルミ機能部品等
  4. ケミカル
    石油化学、化学品、黒鉛電極

この中で半導体・電子材料レゾナックの売上高の中でケミカル分野に次いで3割近くを占める中核事業のひとつです。

レゾナックの半導体材料

前工程関連

レゾナックの半導体材料の中で前工程関連では、CMPのときに使用するスラリーと呼ばれる研磨液やドライエッチング、CVDなどに使用される各種のガス製品、他にはレジスト用溶媒や保護液、洗浄液などの溶剤を製造しています。

後工程関連

後工程に関する材料では、パッケージ基板用の材料やパッケージ用封止材などを製造しています。

半導体製造では前工程の微細化が注目されますが、近年では物理的、経済的な限界を迎えつつある中で、後工程の重要性が高まっています。

3Dパッケージ化による高集積化が進められる中で、レゾナックは必要とされる多くの材料で世界トップクラスのシェアを誇っています

SiCエピウエハ

レゾナックではSiCエピウエハも取り扱っています。

SiCはパワーは導体分野でSiよりも絶縁破壊強度や熱伝導率に優れており、高耐圧で低損失な素子を作ることができるため、自動車の電動化などに不可欠な材料となっています。

半導体・電子材料セグメントの現状と未来

レゾナックの半導体・電子材料セグメントの現状は、2021年実績で売上高が2665億円となっています。

これは半導体材料メーカーとしては世界3位であり、後工程に限れば圧倒的な世界トップ企業です。

そんな中で同社は2030年目標として市場成長を上回る成長を実現し、グローバルトップの半導体関連材料メーカーを目指すとしています。

今後半導体・電子材料分野へ集中的な投資を行って2030年には目標売上高1.8~1.9兆円のうち、約45%を占める事業へ成長させる計画としています。

レゾナックの半導体関連製造拠点

レゾナックの生産拠点は全国各地にありますが、半導体関連に絞ってみると、

  • 秩父事業所(埼玉県秩父市) SiCエピウエハ
  • 山崎事業所(茨城県日立市) 半導体材料
  • 千葉事業所、五井事業所 (千葉県市原市) SiCエピウエハ、半導体材料
  • 川崎事業所(神奈川県川崎市) 高純度ガス
  • 彦根事業所(滋賀県彦根市) SiCエピウエハ
  • 徳山事業所(山口県周南市) 高純度溶剤

関東地方を中心におよそ6拠点で製造しています。

レゾナックの年収

最後にレゾナックの年収を確認しましょう。多くの方が気になるところですね。

レゾナックは2023年1月にできたばかりですので、2022年に提出されている旧昭和電工の有価証券報告書によりますと、従業員数3298名の平均年収として721万円となっています。高年収企業と言えます。

新卒の採用情報に記載されている初任給は他の大手企業と変わらないレベルです。入社後の昇給が異なってくると推察されます。

まとめ

公式サイト

レゾナック

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