【半導体企業研究】電源3社の一角であるサンケン電気の歴史や業績・年収を徹底解説

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サンケン電気はパワーエレクトロニクス分野の大手企業で、電源3社と呼ばれる企業の一角です。

この記事では、そんなサンケン電気について歴史や強み、業績、年収について徹底解説します。是非とも最後までご覧ください。

この記事を書いた人

【プロフィール】

  • 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
    (経験10年以上)
  • 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
  • 著書を出版しました
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ずーぼ  
こんな方に読んでいただきたい
  • 半導体業界に興味がある
  • 半導体業界に就職、転職したい
  • 特にサンケン電気について調べたい
目次

動画で解説:サンケン電気について

サンケン電気はパワエレ分野の有力企業

サンケン電気は本社が埼玉県新座市にあります。埼玉県南部で東京都に隣接している地域です。

設立は戦後間もない1946年9月、上場市場は東証プライム市場で証券コード6707。

資本金は約209億円、売上高は2022年3月期で約1,760億円の企業です。

事業内容は、電子部品、デバイス、電子回路の製造および販売、電気機械器具の製造および販売となっており、従業員はおよそ8,000名です。

パワーエレクトロニクス分野のメーカーで、電源3社と呼ばれる企業の一角です。他の企業は新電元工業とオリジン電気です。

サンケン電気の歴史

サンケン電気が設立されたのは1946年です。

そのルーツとなったのが1937年に設立された東邦産業研究所で、同研究所が終戦により解散となったため、当時半導体研究室主任であった小谷銕治氏が技術者と設備を継承して東邦産研電気株式会社を設立しました。

1952年に本社と工場を現在の新座市に移転、1961年には東京証券取引所の第二部に上場を果たしています。

翌1962年に商号を現在のサンケン電気に変更しています。1970年には東証一部、現在のプライム市場に上場し、1970年代から80年代にかけて相次いで生産子会社を設立しています。

1990年には米国スプレーグ テクノロジーズの半導体部門を買収し、アレグロ マイクロシステムズを設立、2005年には米国にポーラーセミコンダクターを設立するなど海外展開も進めています。

サンケン電気の事業

サンケン電気には大きく3つの事業があります。

  1. パワーデバイス
    パワー半導体素子そのものでパワーMOSFETやIGBT
  2. パワーモジュール
    複数のパワー半導体を組み合わせた回路を1パッケージに集積化した製品
  3. センサー
    物理的、化学的な量や変化を電気信号に変換する装置で、主に磁気センサや電流センサなど

これらの3つの事業分野を、

  • 自動車
  • 白物家電
  • 産業機器・民生市場

で展開しています。市場分野では特に自動車分野に注力をしています。高圧バッテリが搭載されたハイブリッド車や電気自動車には数多くのパワー半導体を使用しており、2021年から2026年にかけては年平均成長率15%を目標に掲げてさらなる成長を遂げるとしています。

パワー半導体とは電力供給や変換を行う半導体

ここでパワー半導体について見てみましょう。

パワー半導体とは電力であるパワーの供給や変換を行うための半導体です。一般的なICと比較して扱う電力が非常に大きいことが特徴です。

身近なところでは、家電に使うためのコンセントの交流電源を直流に変換(整流)し、さらに必要とされる電圧に変換(昇降圧)をしています。

パワー半導体の機能は4つに分類されます。

  • 1つ目は交流の電気を直流に変換する整流です。
  • 2つ目は交流を交流に変換する周波数変換です。交流は波のようになっていますが、この波の幅である周波数を必要に応じて変換することです。
  • 3つ目は直流を直流に変換する昇降圧です。直流の電気を必要な大きさに高くしたり、低くしたりします。
  • 4つ目は直流を交流に変換するインバータです。ハイブリッド車や電気自動車で使われており、電池は直流の電気ですがモータは交流で動かすため、変換を行っています。

パワー半導体の種類としては、

  • 整流に使われる整流ダイオード
  • 高速でスイッチングができるパワーMOSFET
  • 高速かつ高耐圧でスイッチングができるIGBT
  • 高耐圧でのスイッチングができるサイリスタ

などがあります。使用される電圧の大きさやスイッチング速度などの用途によって使い分けられています。

サンケン電気の業績

次にサンケン電気の業績を確認しましょう。

売上高推移は堅調で1600~1700億円で推移しており、22年3月期で1,757億円です。

営業利益は21年3月期はアレグロIPO関連費用等で赤字になっていますが、22年3月期は黒字転換し、22年3月期で137億円となっています。

サンケン電気が掲げる中期計画では、2023年度目標として売上高1,700億円以上で営業利益率13%以上としています。売上高は既に達成されていますが営業利益率は未達ですので、23年度の達成を目指すとしています。

サンケン電気の国内拠点

サンケン電気の国内拠点は、子会社の山形サンケンが前工程を担っています。ここでウエハ加工したものを福島サンケンで特性検査を行い、石川サンケンで組み立てる(後工程)といった流れになっています。

本社では技術開発センターやものづくり開発センターがあり、ここで研究開発した製品を各子会社で製造している構図のようです。

サンケン電気の年収

最後にサンケン電気の年収を確認しましょう。多くの方が気になるところですね。

有価証券報告書によりますと、従業員数841名の平均年収として668万円となっています。まずまずの高年収企業と言えます。

新卒の採用情報に記載されている初任給は他の大手企業と変わらないレベルです。入社後の昇給が異なってくると推察されます。

まとめ

公式サイト

サンケン電気

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