【半導体関連企業研究】シリコンウエハ大手のSUMCOを徹底解説

SUMCO(サムコ)は一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、半導体用のシリコンウエハで世界2位のシェアを誇る企業です。

シリコンウエハ首位の信越化学は他の事業も手掛けるいわゆる化学メーカーですが、SUMCOはシリコンウエハ専業のメーカーです。

この記事では、SUMCOについて歴史や強み、業績、年収について徹底解説します。

是非とも最後までご覧ください。

この記事を書いた人
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  • さまざまな半導体材料メーカーや生産委託先等の半導体業界の企業との業務経験多数
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  • 特にSUMCOについて調べたい
目次

動画で解説:SUMCOについて

SUMCOとは住友系、三菱系のシリコン事業を基にしてできた企業

株式会社SUMCOは、本社が東京都港区芝浦一丁目にあります。最寄り駅はJR山手線の浜松町駅またはゆりかもめの日の出駅です。

会社設立は1999年ですので、ここ最近のように思えますが、後で説明する歴史の中で取り上げるようにさまざまな企業が統合・合併してできた企業で現在のSUMCOの基となったシリコンユナイテッドマニュファクチャリングが設立された年が1999年であるためです。

東証プライム市場に上場しており、証券コードは3436。

売上高は2021年12月期で3356億円です。

旧住友系、旧三菱系のシリコン事業を基にしてできたシリコンユナイテッドマニュファクチャリングが三菱住友シリコンとなり、その後SUMCOに商号変更して現在に至っています。

社名のSUMCOは母体となったシリコンユナイテッドマニュファクチャリング(Silicon United Manufacturing Corporation)の頭文字に由来しています。

SUMCOは「サムコ」と呼びますが、半導体業界では京都に本社を置くCVD装置やエッチング装置のメーカーにカタカナ表記の別のサムコがありますので、混同しないように注意が必要です。

SUMCOの歴史は企業統合・合併の歴史

SUMCOの歴史は企業統合と合併の歴史そのものです。

SUMCOの前身であるシリコンユナイテッドマニュファクチャリングは1999年7月に住友金属工業、三菱マテリアル、三菱マテリアルシリコンの共同出資によって設立されました。

ただし旧住友系の流れとしては1937年に設立された大阪特殊製鉄所までさかのぼります。その後商号変更や企業合併によって住友金属工業となっています。

一方旧三菱系の流れでは1958年に設立された日窒電子化学までさかのぼります。こちらも商号変更や企業合併によって三菱マテリアルシリコンとなっています。

シリコンユナイテッドマニュファクチャリングは三菱住友シリコンとなり、2005年8月に現在のSUMCOに商号変更をしています。さらに2006年にはコマツ電子金属を子会社化しています。こちらは現在SUMCO TECHXIVとなっています。

シリコンウエハとはシリコン単結晶の薄い円盤状の基板

ここでシリコンウエハについて確認してみましょう。

シリコンウエハとは、シリコン単結晶の薄い円盤状の基板のことです。このシリコン基板上にICが作り込まれます。
「半導体」という言葉には2つの意味があります。もともとはシリコンのような導体と絶縁体の中間の導電率(伝導率)を持つ材料自体のことを指します。

しかし現在ではこのシリコン基板の上に作り込まれるICのことを指して半導体と呼ばれています。

半導体=IC

ということになります。

ウエハ材料はすべてシリコンという訳ではありませんが、世の中のほとんどの半導体はシリコンで作られています。
その理由として大きく4つあります。

  1. シリコンは地球上の多く存在しているため
    クラーク数と呼ばれる地表表面に存在する元素の割合が酸素に次いで2番目に多いです。つまり材料の枯渇懸念がないと言えます。
  2. バンドギャップがGeより大きく高温動作できる
    半導体の黎明期にはGe(ゲルマニウム)が使われていました。ゲルマニウムよりもシリコンはバンドギャップが大きく高温での動作が可能になります。
  3. 不純物を取り除き、高純度化がしやすい
    シリコンウエハを作るには半導体グレードと呼ばれる超高純度に材料を精製する必要があります。シリコンは超高純度に精製しやすいです。(精製する必要があるため技術開発がされたとも言えます)
  4. 良質な酸化膜を形成でき、加工しやすい
    トランジスタのゲートには絶縁性が高い膜が必要です。シリコンを酸化させたシリコン酸化膜は絶縁性が高く安定した絶縁膜です。シリコンは固く加工性も良いです。

シリコンウエハの生産量とSUMCOの市場シェア

次にシリコンウエハの生産量と市場シェアを見てみましょう。

シリコンウエハの生産量は2000年から2021年までの間で見ると年平均成長率が4.35%となっており、多少の上下はあるものの基本的には右肩上がりで増加しています。

シリコンウエハの生産量が増加しているということは、半導体の生産量が増加しているということです。

シリコンウエハの市場シェアは2019年時点でが信越化学が世界一のシェアを誇っています。SUMCOは僅差の2位のシェアを持っています。日本企業が1,2位を占めており、市場全体のシェアとしてもおよそ半分を占めています。

3位が台湾のグローバル・ウェーハズ、4位がドイツシルトロニック、5位が韓国のSKシルトロンとなっています。この上位5社で市場をほぼ独占している格好になります。

シリコンウエハは他の素材より大きな成長を遂げている産業

シリコン産業は他の金属材料(鉄やアルミニウム等)と比較すると非常に成長率が高い産業です。

1990年から2021年までの約30年間で約8倍に成長し、年平均成長率は6.9%となっています。これは同期間の年平均成長率が4.0%の鉄や3.5%のアルミニウム、3.0%の銅と比較して大きいことがよく分かります。

このシリコン産業の中でも300mmウエハは今後も需要の増加が見込まれている有望な産業であることも分かります。

SUMCOはシリコンウエハ専業企業

成長産業であるシリコン産業の中でSUMCOが担っているのがシリコンウエハを製造するための単結晶製造工程とウエハ加工工程です。

これは多結晶シリコンを材料メーカーから購入し、単結晶シリコンインゴットを引き上げ、さらにそのシリコンインゴットをシリコンウエハに加工する工程です。

非常に精密なシリコンウエハを製造し、それを世界中の大手半導体製造メーカー(IDMやファウンダリ)へ販売しています。

SUMCOの資料によりますと、世界の半導体売上高上位10社はすべてSUMCOの顧客ということのようです。

SUMCOの業績推移

SUMCOの業績はここ数年非常に好調です。2022年第2四半期では営業利益率が20%を超えており製造業としてはかなりの高水準です。

地域別の売上高は8割が海外でアジアが全体の6割を占めています。これは半導体製造が盛んな韓国、台湾が主要な顧客となっているためです。

SUMCOの製造拠点

SUMCOの製造拠点について確認してみましょう。北は北海道から南は九州まで点在していますが、主要工場は九州に集中しています。

北から確認しますと、

  • 北海道の千歳工場
  • 山形県の米沢工場
  • 千葉県のSUMCOテクノロジー(子会社)
  • 佐賀県の佐賀工場と主力工場である伊万里工場
  • 長崎県の長崎工場
  • 宮崎県の宮崎工場とSUMCO TECHXIV(子会社)

となっています。

SUMCOの年収

最後にSUMCOの年収を確認しましょう。多くの方が気になるところですね。

有価証券報告書によりますと、従業員数4168名の平均年収として655.7万円となっています。まずまずの高年収企業と言えます。

新卒の採用情報に記載されている初任給は他の大手企業と変わらないレベルです。入社後の昇給が異なってくると推察されます。

オープンワークをみてみますと、正社員12人の回答者平均年収は513万円となっています。回答者数が少ないためか平均では有価証券報告書よりは低くなっているようです。

まとめ

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