山形県に立地している主要な半導体関連工場をまとめました。

【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 著書を出版しました
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半導体関連工場MAP 山形県版まとめ


山形県に立地している半導体関連工場は全部で10工場取り上げます。
経済構造実態調査による山形県の位置付けは、下記のようになっています。
- 事業所数:109(全国14位)
- 従業員数:13,964人(全国5位)
- 製造品出荷額:7,511億円(全国3位)
従業員数は全国5位、製造品出荷額は全国3位ということで、電子・デバイス関連の製造業が盛んな県といえます。
半導体関連工場MAP 山形県版各工場
東北エプソン

東北エプソンは山形県酒田市にあります。
セイコーエプソンの100%子会社で、前工程の工場です。1985年に庄内電子工業として設立され、1991年に6インチラインを持つS棟が、1997年には8インチラインを持つT棟が操業しています。さらに2001年にはT棟のラインが拡張されています。
東北エプソンでは、半導体以外にもインクジェットプリンター用ヘッドや産業用ロボットの部品製造なども行っており、働く人は2,000人を超える大きな工場といえます。
山形サンケン

山形サンケンは山形県東根市に位置しています。
パワー半導体をつくるサンケン電気の100%子会社で、同社の前工程工場としてダイオードチップやトランジスタチップ、MOSFETチップなどを生産しています。
1981年に設立され、製造ラインが本社から徐々に移管されてきた歴史を持ちます。2012年からは8インチ製造ラインでの量産も開始されています。先端のロジックやメモリ半導体では12インチウエハが当たり前ですが、パワー半導体などでは6インチや8インチの小口径ウエハがまだまだ使用されています。
東根新電元

東根新電元は山形県東根市にあります。
新電元工業の100%子会社で、秋田県の秋田新電元と同様にパワー半導体の生産を行っています。秋田新電元とのすみ分け詳細は不明ですが、6インチラインを持っているため、前工程工場といえそうです。
1981年に設立されており、会社創立から40年以上たつ歴史ある工場です。
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング山形テクノロジーセンター

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング山形テクノロジーセンターは山形県鶴岡市にある工場です。
ソニーグループの半導体事業を担うソニーセミコンダクタソリューションズの100%子会社で同社の主力製品であるCMOSイメージセンサを生産しています。
この工場は元々、1964年に日電高畠製作所として設立されました。社名の通り日本電気(NEC)の製造子会社でした。その後、ルネサス山形セミコンダクタとなり、2014年にソニーがルネサスエレクトロニクスから買収し現在に至っています。
本工場では300mmウエハの生産ラインを持っており、300mmウエハを使用してCMOSイメージセンサが生産されている模様です。
ルネサスエレクトロニクス米沢工場

ルネサスエレクトロニクス米沢工場は山形県米沢市にある工場です。
ルネサスエレクトロニクスが持つ後工程工場のうちのひとつで同社のマイコンやSoCなどの後工程製造を担っています。
この工場は当初、1969年に日立米沢電子として設立されました。社名の通り日立製作所の製造子会社です。そしてルネサス北日本セミコンダクタになった後、ルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションに吸収合併されましたが、2019年に親会社であるルネサスエレクトロニクスに吸収合併されるという紆余曲折を経て現在に至っています。
ASEジャパン本社工場

ASEジャパン本社工場は山形県東置賜郡高畠町にあります。
ASEジャパンは後工程受託事業、いわゆるOSATで世界トップである台湾のASE(Advanced Semiconductor Engineering)の日本子会社です。本工場でもSOPやQFNといったパッケージングを行っています。
この工場も元をたどれば1964年に設立された日電高畠製作所です。1969年に山形日本電気に商号変更され、そして2004年にASEが当時のNECエレクトロニクスから買収しています。
現在の主力製品のひとつは、スマートフォンや車載品に搭載される超薄型でコンパクトな半導体パッケージである小型DFNパッケージということです。
山形電子本社・山形工場、高畠工場

山形電子は山形県山形市にあります。同社の高畠工場は山形県東置賜郡高畠町に位置しています。
山形電子も後工程製造を行う企業で、1970年に設立されました。ダイシングから、検査、そして信頼性評価までを一気通貫で行っているようです。また、自社によるナショナルブランドの半導体製品の開発・試作にも取り組んでいる模様です。
エムテックスマツムラ尾花沢工場

エムテックスマツムラ尾花沢工場は山形県尾花沢市にある工場です。
同工場ではモールド装置や計測器などの半導体製造装置の生産と、後工程製造を行っています。
同社は1945年にネジ類の製造を始め、1970年に半導体関連事業を開始しました。半導体製造装置では、封止工程用自動モールディング装置やモールド用の金型、他にもレーザーマーク装置などを手掛けています。後工程製造では、ウエハのバックグラインドからテスティング、梱包までのアッセンブリを行っています。
SUMCO米沢工場

SUMCO米沢工場は山形県米沢市にある工場です。
1984年に山形シリコンとして設立され、翌1985年に米沢工場が発足しています。そして1995年に三菱マテリアルシリコンの米沢工場となり、さらに2002年に三菱住友シリコンの米沢事業所となった後、2005年にSUMCOとなって現在に至ります。
米沢工場ではシリコンウエハを作るための単結晶インゴット製造などを行っています。
グローバルウェーハズ・ジャパン小国結晶センター

グローバルウェーハズ・ジャパン小国結晶センターは山形県西置賜郡小国町にある工場です。
結晶センターという名称ですが、シリコン単結晶の製造を行う工場です。
グローバルウェーハズ・ジャパンも紆余曲折を経てできた企業で、元をたどれば東芝セラミックが源流の企業です。新潟東芝セラミックが設立された1991年が設立年となっており、その後コバレントマテリアルとなった後に台湾のSino-American Silicon Productsグループに株式譲渡され、2013年にグローバルウェーハズ・ジャパンへと社名が変わっています。
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