【半導体業界ニュース】2023年4月のニュースを11本厳選してご紹介!

当ページのリンクには広告が含まれています。

2023年4月に半導体業界で生じたニュースをご紹介します。

目次

動画で説明:半導体業界ニュース2023年4月号

2023年4月末時点の世界半導体市場と株式市場推移

各ニュース記事:半導体業界ニュース2023年4月号

ラピダス、imecの先端半導体コアパートナープログラムに参加

ラピダスは4/4、ナノエレクトロニクスとデジタル技術分野における世界的な研究機関であるベルギーimecと先端半導体研究の領域で長期的かつ持続可能な協力を強化するため、imecのコアパートナープログラムに参加することを発表しました。

imecのコアパートナープログラムは2005年に開始され、5nm以下の半導体プロセス技術における世界トップクラスのファウンドリー、IDM、ファブレス、材料および装置のサプライヤー等が参加しており、研究開発を行っているものです。

ラピダスとimecは2022年末、ベルギー経済使節団の来日時に協力覚書を締結しています。今回のコアパートナープログラム参加の合意は、ベルギーのフランダース政府と日本の経済産業省から支持され、両国の半導体業界における連携を一段と強化するものとしています。

ラピダスの小池社長は「imecのコアパートナープログラムに参加することは、当社にとって重要な節目となります。これにより、ラピダスはimecの先端技術やシステムソリューション、最先端の300mmパイロットライン、そして広範なパートナーネットワークを利用することができるようになります。2nmの量産技術を確立するという当社の目標を達成するには、国際的な連携が不可欠であり、imecはこの目標を実現していく上で大変重要なパートナーです。今回の合意は、半導体産業における日本の地位を再建する我々の努力が決定的な段階に達したことを示しています」とコメントしています。

コメント

昨年末に協力関係の覚書を交わしたimecとより強固な協力関係を構築していく模様です。国際的な連携なくして進めることが難しい先端半導体の量産化を目指している訳ですから当然の帰結と言うか、当初の予定通りに事を進めているように思われます。

基ニュース

ラピダス:プレスリリース(4/4)

レゾナック、パッケージ用接着フィルム生産能力を増強

レゾナックは4/4、後工程で使用される接着フィルムであるダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの生産能力を増強することを発表しました。

同社五井事業所(千葉県市原市)に52億円を投じて、生産能力を従来の1.6倍に増やします。稼働開始は2026年の予定となっています。

ダイボンディングフィルムは、積層化が進む半導体チップの接着に不可欠な超薄型フィルム状接着剤です。同社が世界トップシェアを有しています。ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、ウエハから半導体チップを切り出す際に使用するダイシングテープの機能を併せ持つ一体型フィルムであり、ウエハ裏面へのフィルムの貼付けを一度に行うため製造工程の短縮が可能な製品となっています。

特にメモリ半導体の需要拡大に伴い、半導体チップを積層する際に使用するダイボンディングフィルムの需要拡大も見込まれています。

コメント

レゾナックが同社が得意とする後工程の材料分野に投資を進めています。ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは積層構造を持つパッケージには有用な製品と考えられます。
特にメモリ向けということで、直近ではメモリ市場は非常に厳しい状況下にありますが、長期的には需要拡大が予測されていますので先手を打った投資のようです。

基ニュース

レゾナック:プレスリリース(4/4)

参考記事

レゾナックについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

サムスン電子、23年1Q営業利益は前同期比96%減

サムスン電子は4/7、2023年第1四半期の決算速報値を発表しました。

同社によりますと、営業利益が約6000億ウォン(約600億円)の間とされ、前年同期比で約96%減と非常に大きく落ち込みました。 売上高は約63兆ウォンでこちらは同約19%減です。

主力である半導体メモリの市況悪化の影響が大きいとされており、4月末に公表される決算確定値で事業部門別の収益が公表される見込みです。

コメント

メモリ市場の不況影響がサムスン電子に打撃を与えているようです。トップ企業であるサムスン電子がこのような状況ですので、SKハイニックスやマイクロンテクノロジー、日本のキオクシアも同様に非常に厳しい局面を迎えていると考えられます。

基ニュース

サムスン電子:プレスリリース(4/7)

ルネサス、同社初の22nm世代マイコンをサンプル出荷

ルネサスエレクトロニクスは4/11、同社として初めてとなる22nmプロセスを採用したマイコンのサンプル出荷を開始したと発表しました。

22nmプロセスを採用することによって、優れた性能を低い消費電力で実現し、より小さな面積に多くの周辺機能を搭載できることから、無線など豊富な機能を持つ小型のマイコンを提供するとしています。

今回はサンプル出荷の開始であり、一般販売の開始は2023年第4四半期に予定されています。

コメント

今回のマイコンは日経XTECによりますと、製造はグローバルファウンドリーズに委託するそうです。ルネサス内製では40nmまでしか対応できておらず、同社はファブライト戦略を取っていますので、今後もファウンドリ企業活用が一層進むと考えられます。

基ニュース

ルネサスエレクトロニクス:プレスリリース(4/11)

参考記事

ルネサスエレクトロニクスについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

佐賀大学、世界初のダイヤモンド半導体パワー回路を開発

佐賀大学は4/17、次世代のパワー半導体として期待されているダイヤモンド半導体デバイスで、世界で初めてパワー回路を開発したと発表しました。

半導体材料としてのダイヤモンドは、熱伝導率が高く放熱性に優れ、絶縁破壊電界強度も高く長寿命、キャリア移動度も極めて高いという特徴があります。近年はSiCはGaNといった材料が実用化段階に入りつつありますが、理想的なダイヤモンドができた場合は、その物理性質上から、SiCやGaNを超える周波数、出力が得られることが理論上わかっています。

佐賀大学の嘉数教授は、2022年にダイヤモンド半導体デバイスで世界最高の出力電力、出力電圧を報告しています。今回は世界で初めてダイヤモンド半導体デバイスのパワー回路を開発し、10ナノ秒を切る高速のスイッチング動作と190時間の連続動作で特性の劣化がないことが確認されました。

今後は、開発したダイヤモンド半導体パワー回路で明らかになった特性変化の物理的機構を明らかにし、その対策を行ったダイヤモンド半導体デバイスを作製、さらに高電圧での動作や過酷な動的特性試験を行い、実用化を目指した研究開発を加速するとしています。

コメント

まだまだ研究段階ですが、素子を作っただけではなくボンディングをして回路として動作させることに成功した点に大きな意味があります。当然ながら課題は山積みと思いますが、研究開発が加速していくことを期待したいです。

基ニュース

佐賀大学:プレスリリース(4/17)

日立ハイテク、半導体製造装置の新製造棟を建設

日立ハイテクは4/18、半導体製造装置事業におけるエッチング装置の生産能力増強を図るため、山口県下松市にある笠戸地区に新製造棟を建設することを発表しました。

2025年4月に竣工予定で、投資額は約240億円となっています。 新製造棟では生産ラインのデジタル化や自動化により生産能力2倍にするとのことです。

コメント

日立ハイテクはエッチング装置やSEMなどの計測装置が強い企業です。
今回発表された山口県に作る製造棟ではエッチング装置の生産能力増強を図るようです。現状はメモリを中心にやや減速気味ですが、製造装置メーカー各社はその後の再成長を見越した投資が活発なようです。

基ニュース

日立ハイテク:プレスリリース(4/18)

東芝、300mmパワー半導体新棟建設を開始

東芝デバイス&ストレージは4/24、石川県能美市の加賀東芝エレクトロニクスにおいて、300mmウエハ対応のパワー半導体新製造棟の起工式を行ったと発表しました。

今回建設するのは第1期分で、2024年度中の稼働開始予定です。合わせて生産能力拡大に伴う人員増に対応するため事務所棟も建設するとのことです。 新製造棟は、免震構造の採用、電源2重化によるBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)強化を図り、さらに使用する電力を100%再生可能エネルギー由来でまかなう計画としています。加えてAI活用によって製品品質および生産効率をより向上させるとしています。

コメント

22年下期から既存の生産棟で300mmウエハを使ったパワー半導体の生産を始めているようですが、新棟を建設することで生産能力が大きく向上するようです。東芝本体は買収されるようですので、今後どうなっていくのかが不透明ですが、半導体事業は引き続き頑張ってほしいですね。

基ニュース

東芝デバイス&ストレージ:プレスリリース(4/24)

参考記事

東芝について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ラピダス、経産省の支援を受けて北海道の工場建設を開始へ

ラピダスは4/25、北海道千歳市で計画をしている先端半導体の生産工場建設を開始すると発表しました。

同日に経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から同社の2023年度の研究開発プロジェクトの計画と予算が承認されたことを受け、自治体および関連事業者と連携し、活動を開始するとしています。

経済産業省からの支援は2023年度の上限として2600億円となっています。

工場の設計施工は鹿島建設が受注し、23年9月に着工し25年1月に完成予定です。

コメント

ラピダスの工場建設が本格的に始動する模様です。設計施工は鹿島建設で、過去には日立製作所(現ルネサスエレクトロニクス)の那珂工場N3棟などの多くの実績がある巨大ゼネコンです。計画通りに進んでいくのか、今後の進捗にも注目していきたいです。

基ニュース

ラピダス:プレスリリース(4/25)

鹿島建設:プレスリリース(4/25)

ホンダ、TSMCと戦略的協業によって半導体を安定調達へ

本田技研工業(以下ホンダ)は4/26、2023ビジネスアップデートを開催し、その中で半導体不足への対応として中長期的な取り組みの中でTSMCとの戦略的協業を行うことを発表しました。

半導体不足への対応としては、短期的な取り組みとして部品のデュアルソース化や、代替品の開発を実施するとしています。 そして中長期的な取り組みの中でリスクセンシングを強化するとともに、TSMCとの戦略的協業をはじめ半導体メーカーとの協力関係を構築、連携を強化することにより、半導体の安定調達を目指すとしています。

ホンダなどの自動車メーカーでは車載用半導体はこれまで、主としてティア1と呼ばれる自動車部品メーカー通じて調達しています。今回の協業では直接半導体メーカーから調達することになります。

コメント

ホンダがTSMCと協業することになりました。驚くべきニュースでしたが、EVや自動運転など今後の自動車の進化に半導体は欠かすことができず、使用量は増大する見込みです。そのためホンダ以外のメーカーもこうした動きが続々と出てくるのではないかと考えられます。
半導体メーカーの存在感、重要性が今後より高まっていきそうです。

基ニュース

本田技研工業:ニュースリリース(4/26)

AGC、EUV露光用フォトマスクブランクスの生産能力を増強

AGCは4/27、同社の100%子会社であるAGCエレクトロニクスにてEUV露光用フォトマスクブランクスの生産能力増強を決定したと発表しました。

2024年1月より稼働を開始し、段階的に増強を行うことによってEUVマスクブランクス生産能力は2025年に現在の約30%増となるとのことです。 同社はEUVマスクブランクスの原料であるガラス材料からコーティングまでを一貫して手掛けることができる、世界で唯一のEUVマスクブランクスメーカーです。

今後、EUV露光が必要となる高性能な先端半導体の生産拡大に伴い、EUVマスクブランクスの需要は大幅な拡大が見込まれているため、この需要増に応えるべく生産能力の増強を決定したとしています。

コメント

EUVマスクブランクスはAGCの他にHOYAが高いシェアを誇っている半導体材料です。半導体材料では日本企業が強い分野が多数ありますので、さらに磨きをかけてほしいところです。
そうしたところもあって経済産業省による「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」にも採択されているようです。

基ニュース

AGC:プレスリリース(4/27)

凸版印刷、パワー半導体事業に新規参入

凸版印刷は4/28、パワー半導体の製造代行事業に参入したことを発表しました。

国内の独立系ファウンドリ企業であるJSファウンダリと戦略的協業契約を締結し、同社新潟工場の生産能力の一部を優先的に使用することで合意しています。

当初は6インチウエハプロセスのポーティング(工程移管)および製造代行からサービスを開始し、裏面加工工程やエピタキシャル工程などの部分加工にも対応するとのことです。 次に2024年度内にJSファウンダリに新設される8インチウエハ工程を活用して、8インチウエハプロセスにもサービスを拡大させ、さらには設計から製造までを一貫して請け負うターンキーサービスの提供を開始する予定です。

凸版印刷では今後2027年度に売上30億円を目指すとしています。

コメント

凸版印刷は社名からイメージしにくいですが、マスク事業やLSI系のターンキーサービスを提供しており半導体事業には長年の実績があります。今回はJSファウンダリと組んでパワー半導体の製造代行を請け負うということです。
パワー半導体は需要が拡大していますが、供給先によっては少量多品種で一品一様の調整が必要なものが多数ありますので、非常に助かるサービスと考えられます。ただプロセスポーティングは個人的に過去経験していますが、工場が変わると微妙な調整に苦労しますのでスムーズなサービスの立ち上がりが可能なのかは、難しいのではと思ってしまいます。JSファウンダリのプロセスエンジニアの腕の見せ所ですね。

基ニュース

凸版印刷:プレスリリース(4/28)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次